目黒蓮『海のはじまり』はクドカンも出演嘆願の役者参戦で“超『silent』”に 「コケたら月9終わり」最後の砦

目黒蓮(Snow Man)(C)ピンズバNEWS

7月1日から放送予定のSnow Man・目黒蓮(27)主演の連続ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系/月曜夜9時~)。これまで有村架純(31)や大竹しのぶ(66)といった豪華なキャスティングが発表されていたが、6月3日には池松壮亮(33)の出演も発表。X(旧ツイッター)トレンド入りするなど、大いに注目を集めている。池松がフジテレビ系の連続ドラマに出演するのは、今回が初となる。

7月期のフジ月9『海のはじまり』で、主演の目黒が演じるのは、ある日突然シングルファーザーとなる月岡夏。7年前に破局した元恋人・水希との間に娘が生まれていて、その事実を水希の葬式で知って――という物語だ。

本作は、村瀬健プロデューサーや脚本・生方美久氏など、目黒が“令和のキムタク”として大ブレイクした川口春奈(29)主演の恋愛ドラマ『silent』(22年10月期)を手がけたチームが、再集結することも強調されている作品でもある。

「目黒さんは『silent』の第2話を撮影していた時から“月9主演”の話を持ち掛けられていて、『silent』の終了後に話は進み、村瀬さんが“親子の物語をやりたい”とより具体的になっていった――という経緯が、目黒さん自身によって、5月16日放送のラジオ番組『Snow Manの素のまんま』で(文化放送)で明かされています。

およそ2年前から構想は動いていたわけですが、昨年4月に村瀬プロデューサーがしていた意味深なポストが、今回の池松さんのキャスティングについてだったのでは、と考えられますね」(女性誌編集者)

村瀬氏は昨年4月6日、《準備中の新作ドラマ》の制作過程で《どーーーーしても出てほしいキャストのマネージャーさん》に熱いプレゼンを行なったことをXに綴っていた。同年10月クールに放送された『いちばんすきな花』がその《新作ドラマ》と思われていたが、『海のはじまり』は2年前から準備が進められた作品なので、これが池松へのオファーだったのかもしれない。

村瀬氏は、池松の起用について《正直、池松さんを地上波連ドラにお迎えできるとは思っていませんでした。今回、どうしても池松さんに演じていただきたい役があったので、難しいことは承知の上でお声がけをさせていただきました》と、コメントをしている。

「池松さんは昨年3月公開の主演作『シン・仮面ライダー』など映画で活躍している一方で、連ドラへの出演はほとんどない。近年のテレビドラマの出演は主にNHK BSなどの単発ドラマが中心です。しかし、俳優としての評価は超一流ですから、彼と仕事をしたい人は多い。超売れっ子脚本家の宮藤官九郎さん(53)も、池松さんにダメ元オファーをかけたことがあります」(前同)

■『海のはじまり』は凋落の月9を救えるか

池松は、宮藤氏が企画・監督・脚本を務めたDisney+の連続配信ドラマ『季節のない街』(全10話/23年8月配信)に、主演で起用されている。宮藤氏は池松が「連続ドラマに出てる印象があまりなかった」ため「ダメ元」でオファーしたことを今年4月13日の『季節のない街 シナリオ』(KADOKAWA)のトークイベントで明らかにしている。

なお、『季節のない街』は4月6日(5日深夜)から、テレビ東京系『ドラマ25』枠で地上波放送され、6月7日深夜に最終回を迎える。

「池松さんは23年8月末に大手芸能プロダクション・ホリプロを退社していて、現在は個人で活動しています。ですので、もう事務所要因での仕事をこなす必要もなく、“出たい作品”にしか出ないと考えられます。

そんな彼が『海のはじまり』への出演を決めたということは、それだけシナリオや共演者、スタッフに強い魅力を感じたのでしょう。池松さん本人も“『silent』以降、素晴らしい物作りをされるチームがあるといううわさを耳にしていました“とコメントしていますから、『海のはじまり』は放送前から、一流俳優のお墨つき作品、と言えるかもですね」(前出の女性誌編集者)

池松が『海のはじまり』で演じるのは、主人公(目黒)のかつての恋人・水希が亡くなるまでの7年間、彼女の娘・海も含めて育児やその生活を支え続けてきた図書館の同僚・津野晴明(つの・はるあき)。男性キャストでは目黒演じる月岡夏の次に重要な役だと考えられる。

「同じスタッフが手掛けた『silent』で言えば、鈴鹿央士さん(24)のポジションが近いのかもしれません。3番手の“当て馬枠”的な感じでもありましたが、人格者で、視聴者からも非常に好かれたキャラでした。

さらに言えば、『silent』は篠原涼子さん(50)が、“主人公の相手役・佐倉想(目黒)の母親”役として大御所的なポジションにいましたが、『海のはじまり』では近いポジションーー“元恋人・水希の母親”役として大ベテランの大竹さんが起用されています。

『海のはじまり』のメインヒロインの有村さんは、『silent』の川口さんと年齢も実績も人気も近いと言えそうですが、鈴鹿さんと篠原さんに関しては池松さんと大竹さんの方がキャリアも実績も段違いなのは、誰が見ても明らかですよね。

主演を務める目黒さんも、GP帯連ドラデビュー作だった『silent』が素晴らしかったうえに、その後キャリアを重ね、俳優として成長している。そう考えると、同じスタッフ陣が手掛ける7月クールの『海のはじまり』は、『silent』の一回りグレードアップした作品、“超『silent』”とも言えそうですよね」(芸能プロ関係者)

そんな大期待の連続ドラマ『海のはじまり』は、フジテレビの「月9」枠の救世主として期待されているとも言われている。

「かつての月9はテレビドラマの代名詞のような存在でしたが、現在は、テレビ離れや裏番組の強さもあり、急速に数字を落としている。もちろん、視聴者を惹きつけるクオリティが低下していることも否定はできないでしょう。

今、テレビ各局が最重要視している13~49歳のコア視聴率も振るっておらず、それは現在放送中で、大人気俳優の広瀬アリスさん(29)が主演の『366日』も同じ。5月20日の同ドラマの第7話のコア視聴率は2.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。その前日のTBS日曜劇場の『アンチヒーロー』が4.5%ですので、月9の凋落は火を見るよりも明らかですよね。

そんななかで始まる“超『silent』”である『海のはじまり』。一流出演者、敏腕スタッフ、ヒット脚本家が勢揃いした同ドラマがもしコケたら、今度こそ月9は終わるんじゃないか、なんて声もささやかれています。

ただ、さすがに『海のはじまり』には、心配よりも期待の声のほうが多い。面白い脚本、美しい海の映像、そして一流の共演者たちに囲まれて、より進化した目黒さんの演技が映える――そうした作品になるのではないか、と言われていますね」(前同)

今をときめく目黒が主演する『海のはじまり』が、月9再生の“はじまり”になればいいのだが。

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