CAN得点王のエンスエは赤道ギニア代表でのプレー資格なし…11年間プレーもFIFAが無資格と判決

11年間無資格とみなされたエンスエ[写真:Getty Images]

国際サッカー連盟(FIFA)は、FWエミリオ・エンスエ(34)に対して、11年間に渡って赤道ギニア代表としてプレー資格がない状況でプレーしたとの裁定を下した。フランス『AP通信』が伝えている。

マジョルカ出身のエンスエは、マジョルカのカンテラ出身。ファーストチーム昇格後は、カステジョンやレアル・ソシエダへのレンタル移籍を経験。その後イングランドに渡り、ミドルズブラとバーミンガム・シティでプレーした。

2018年1月からはキプロスのAPOELニコシアに加入。アポロン・リマソールでもプレーした後、ボスニア・ヘルツェゴビナのFKトゥズラ・シティでプレーし、現在はスペイン3部のFCインテルシティでプレーしている。

世代別の代表ではスペイン代表でプレーしていたが、A代表はルーツでもある赤道ギニアを選択。これまで42試合で23ゴールを記録し、キャプテンでもある中、今年始めにコートジボワールで行われていたアフリカ・ネーションズカップ(CAN)では5ゴールを記録して得点王に輝いていた。

しかし、エンスエに関しては2011年までの6年間にU-16~U-21レベルのスペイン代表で26試合に出場。その内には公式戦も含まれており、その後の2013年3月に赤道ギニアの国籍を取得したことで、当時のレギュレーションでは国籍変更が認められない状況にあった。

そのため、2014年ブラジル・ワールドカップ(W杯)予選でカーボベルデ代表と対戦し、ハットトリックで4-3の勝利に貢献した際には、FIFAが同選手を無資格選手とみなし、この試合を没収試合として赤道ギニアの0-3の敗戦扱いとしていた。

ただ、この裁定後もエンスエは赤道ギニア代表としてのプレーを継続し、昨年11月に行われた2026年北中米W杯予選のナミビア代表戦、リベリア代表戦でもプレーし、いずれの試合でもゴールを挙げて1-0の勝利に貢献していた。

しかし、FIFAは5月24日にエンスエが無資格選手という理由から、赤道ギニアの2勝を剥奪する決定を下し、今月3日にその一件に関する判決を下した。

エンスエに関しては、偽造された赤道ギニアのパスポートを使用していたとされ、そのパスポートにはパルマ・デ・マヨルカ(スペイン)ではなくマラボ(赤道ギニア)で生まれたと記載されていた。

その事実もあり、FIFAは2013年の裁定を改めてエンスエが11年間に渡って赤道ギニア代表としてプレーする資格がなかったとの判決を下した。

また、FIFAは「間違いなく自分が出場資格がないことを知りながら」赤道ギニアでプレーし続けていたとの判決を下し、同選手に対して6カ月間の国際試合出場禁止の追加処分を科している。

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