エスビー食品 沢わさび栽培試験開始 山梨で「わさび田」復興

エスビー食品は山梨県道志村で約50年間放置されていた「わさび田」の復興とそこでの沢わさびの栽培試験を開始した。

同社は山梨県忍野村の忍野試験農場(1993年開設)でわさびをはじめとするスパイスやハーブの栽培研究を行っている。

温室を利用した栽培研究を中心としているため、自然環境を利用した栽培におけるデータのモニタリングが困難だったが、今回の栽培試験の開始に伴い、2拠点を活用したわさびの総合研究が可能となった。

エスビー食品によると、道志村内の「養老の森」周辺には、沢わさびの栽培が行われていたかつての「わさび田」が複数残っている。同社は今回、「養老の森」周辺にある約55㎡の「わさび田」跡を復興し、自然環境下での沢わさびの栽培試験を実施する。

栽培試験を通じて「わさび田」に関する技術・知見を持った人材の育成、生産現場の課題抽出・解決に向けた体制の強化を図る。また、産地支援などを通じた持続的なわさび栽培、食文化継承への貢献も目指す。

「わさび田」の復興作業、わさび苗の定植は1月から約3か月にわたり延べ13人の同社従業員が参加して行われた。

© 株式会社食品新聞社