東急の定額制宿泊サービス「TsugiTsugi」と4社連携、九州・沖縄オフピーク旅でオーバーツーリズム抑制へ

東急は6月4日、定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi」(ツギツギ)において、ソラシドエア、スターフライヤー、JR九州、ニッポンレンタカーサービスと共同で、「九州・沖縄 オフピーク旅促進プロジェクト」を同日から開始すると発表した。

TsugiTsugiは、全国200以上の宿泊施設からその日の都合や気分に合わせて好きな場所を選び、定額で宿泊できるサービス。2021年にスタートし、オフピーク送客による宿泊施設の未稼働客室の促進や、観光需要の平準化を後押ししてきた。

本プロジェクトでは、6月4日から2025年5月31日までの期間にソラシドエア便を利用して九州と沖縄を訪れ、TsugiTsugiを利用して対象施設に宿泊したユーザーに、全国の対象施設で利用可能な1泊分の無料宿泊権を、最大で12泊分プレゼントする。これにより、九州と沖縄への移動を促進するという。

さらにソラシドエア機内とスターフライヤー機内で、限定価格の「JR九州フリーきっぷ」を販売し、優待価格でニッポンレンタカーのサービスを提供。域内移動を促進することで、地域経済の活性化にも取り組んでいく。

ほか、TsugiTsugiの無料会員を対象に、九州と沖縄に実在する名店の逸品グルメが毎月当たるプレゼントキャンペーンを同時に実施。さらに本プロジェクトに合わせて、旅先や宿泊施設選びなどの相談ができるAIコンシェルジュ機能「旅先こんしぇるじゅ」に、楽曲生成AIを活用した新機能を追加する。これにより、再来訪のきっかけ作りや自身の旅をシェアしたくなる仕掛けを用意し、ユーザーの旅先へのエンゲージメントを高めるという。

本プロジェクトを開始した背景について、東急でホテル・リゾート事業部事業戦略グループ主査を務める川元一峰氏は、「昨今の観光需要の急速な回復で観光地が賑わいを取り戻している一方、オーバーツーリズムが社会問題化している。地域住民の生活への影響だけでなく、一極集中に伴う過度な混雑で旅行者の満足度が低下し、地域への再来訪や、関係人口拡大のきっかけを失ってしまっている懸念があった」と語る。

同様の課題を抱えた九州と沖縄において、本プロジェクトに参画する5社の連携で「地域」「宿泊」「交通」をつなぎ、域内の気軽な移動を促進することで、来訪地を分散させる狙い。さらに、TsugiTsugiの特長であるオフピーク旅により宿泊曜日を分散することで、混雑のない快適な旅を可能にし、関係人口の拡大、地域活性化、観光需要の平準化を目指すという。

川元氏は、「九州と沖縄は、観光業においてリピーターによる再来訪を重視しており、プロジェクトを行うエリアとして相性の良さを感じた。2025年5月までの約1年間で実績を重ね、機会があれば同様の課題を抱えている他のエリアでも、プロジェクトによってオフピーク旅を促進していきたい」と述べた。

プレスリリース

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