フィリピン軍、兵士が中国海警に銃口との報道否定 南シナ海

Karen Lema

[マニラ 4日 ロイター] - フィリピン軍は南シナ海で同国軍の兵士が中国海警局の船舶に銃口を向けたとする中国国営中央テレビ(CCTV)の報道について、海警局の船舶が接近してきたため、兵士が武器を手にしたが、銃口は向けていないと反論した。

CCTVは、フィリピンが南シナ海のセカンド・トーマス礁の拠点としている座礁させた軍艦「シエラマドレ号」上で少なくとも兵士2人が5月19日に中国海警局の船舶に銃口を向けたと報じていた。

フィリピン軍のブラウナー参謀総長は会見で「(海警局の船舶が)近距離まで接近したため、何かあった場合に備えた自衛の準備だった」とし、中国海警局の行動が「挑発的」だったと主張した。

軍関係者によると、海警局の複合艇はシエラマドレ号の5─10メートル以内に接近し、フィリピン軍が部隊のために空中投下した補給品の一部を押収したという。

軍関係者はこうした行為を「違法」であり「受け入れられない」と批判。ブラウナー氏は「われわれには自衛権がある」とし、今後もこの海域での主権を主張すると述べた。

中国はセカンド・トーマス礁を含め、南シナ海のほぼ全域で領有権を主張している。

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