【厚労省】「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」発出

【2024.06.04配信】厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課は5月31日、各地域の衛生主管部事宛に事務連絡「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」を発出した。過剰な発注は厳に控えることなどを依頼している。

事務連絡では、今般、経口セフェム系抗菌薬の一部の品目において供給が停止したために、供給不安報告及び供給状況報告が相次いでおり、経口抗菌薬の安定供給に支障が生じていると説明。
経口セフェム系抗菌薬の製造販売業者に対しては増産の対応を依頼しているところではあるが、安定的に供給されるには一定の期間を要するとし、「経口抗菌薬が真に必要な患者に、円滑に供給できる状況を維持することが重要」との見解を示している。
一方、医薬品の配分は過去の流通・販売実績に応じて行われることが多いため、経口抗菌薬の適正使用を遵守してきた医療機関ほど大きな影響を受けることが懸念されるともし、各地域の衛生主管部においてはこのような状況について周知してもらい、限られた医療資源を必要な患者に適切に供給できるよう、経口抗菌薬が安定的に供給されるまでの間、今一度の周知を依頼している。

具体的には、以下の2点を周知依頼している。

1.医療機関及び薬局においては経口抗菌薬について、返品が生じないよう、過剰な発注は厳に控えていただき、当面の必要量に見合う量のみの購入をお願いしたいこと。
2.医療機関及び薬局におかれては、経口抗菌薬について、細菌感染症等が疑われる患者へ限定した適正使用を、引き続き努めていただきたいこと。
3.薬局におかれては、処方された経口抗菌薬について、自らの店舗だけでは供給が困難な場合であっても、系列店舗や地域における連携により可能な限り調整をしていただきたいこと。

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