ワークマン/来春までにワークマン女子30店オープン

ワークマンは6月4日、来春までにワークマン女子30店をオープンすると発表した。

今年9月から「#ワークマン女子」店(以下、女子店)の出店攻勢をかけ、来年5月までの9カ月間で主力の路面女子店を27店、大型ショッピングモール内女子店を3店、計30店を出店する。

<ワークマン女子>

出店攻勢により女子店は来年5月末には96店舗(作業服を扱わない大型モール内のWORKMAN Plus12店を含む)になる。出店増加による需要拡大を先取りして、女子店の現在の専売PB比率18%を9月には30%に拡大する。

女子店は時流に乗って盛況だが、ブームによる勢いを維持するのは容易ではない。継続的な商品力の強化や品揃えの見直しにより、売場の魅力を更に高めることが必要となっているため、女子店に来店した男性客に、9月から男性用専売製品を30アイテム投入して男性売場の15%を専売PBにする。各アイテムは、平均3色で4サイズ、製品種類(SKU)は360種。

専売製品はトレンド性が強く、男性売場の鮮度は高まり、ワークマンやWORKMAN Plusの既存店への男性客の流出を防止する。

<女子店専売の秋冬男性製品の一例>

家族や女性だけで買い物をする場合は、女子店の方が女性/男性/Kids向けが揃っていて便利に利用できる。ただ、男性客にとっては既存店の方が女子店よりも品揃えが豊富にある。例えば、スタイリッシュ作業服のカーゴパンツやスラックスは一般客にも好評で、製品の選択肢が広がる。既存店は女子店の2倍のパンツの品揃えがあり、店舗数も女子店の10倍以上ある。そのため、女子店は男性向け専売製品もなく魅力不足だった。

女子店では売上の半分を女性用製品が占める。現在の女性用専売PB比率25%を9月には35%まで引き上げる。今後は、女性/男性/Kids用に加えて鞄や帽子などの専売製品をさらに増やして、女子店全体の専売製品比率を2年間で6割に高める。専売品比率が高まると競合する既存店と差別化が進んで、女子店の大量出店による既存店への負の影響を緩和できる。

ワークマン女子は2020年の第1号店の開店以来、まだ3年9カ月しか経っていない。ダントツに強い作業服と作業用品を扱わない一般客専用の新業態を創るのは、簡単ではない。女子店は大人気なのは確かだが、何を強みにするかと品揃えをどうするかの業態の基本は発展途上で固まっていない。ワークマンやWORKMAN Plusの既存業態店は仮説と検証による40年以上の改善の積み重ねで、業態の完成度が少し高まっている。

現在、女子店では、「男性客が女子店からワークマン既存店に流出する傾向もあり売上の前年比割れが起きやすい」「来店頻度を高める消耗品などのヒット製品がまだ少ない」「一般客向けの高機能製品は人気があるが買い替え頻度は高くない」といった課題がある。

解消策として、女子店の専売製品比率を6割まで高めて他業態店と差別化し、来店頻度を高める製品として、購入頻度が高い消耗品の「肌着」の販売比率を3年後に全売上の2割まで引き上げる。

さらに、世の中に無い新機能素材を毎年開発して、搭載新製品の投入で買い替え需要を高める施策に取り組む。

<肌着商品の一例>

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