【新日本】棚橋弘至社長 H.O.Tセコンド介入・乱入に厳正対処へ 木谷オーナーは〝メイン追放〟示唆

木谷高明オーナー(左)とともに、会見に臨んだ棚橋弘至社長

新日本プロレスの棚橋弘至社長(47)が4日に社長就任半年会見を開き、極悪軍団「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」の反則行使を厳しく取り締まる指針を示した。

昨年末に社長に就任した棚橋はこの日、10項目の指針を発表。1・若手の抜てきと新人の発掘、2・ベルトの価値向上、3・乱入や介入の阻止、4・新日本本隊の強化、5・スターダムとの関係強化、6・米国AEWとの関係強化、7・チケットの価格帯見直しや券種多様化の検討、8NJPW WORLDの改善、9・個人情報管理の強化、10・協賛営業の強化が挙げられた。リング上からリング外まで、多岐にわたる内容だ。

中でも報道陣からの質問が相次いだのは「乱入や介入の阻止」の項目だ。棚橋社長は「最近、リング上は目に余る反則、特に乱入や介入が行われているので、社長として厳しく向き合ってきます。乱入があった場合は、私が現場で体を張ることも考えています」とキッパリ。具体的なペナルティーなどが決まっているわけではないというが「新日本で今一番そこがファンの皆さまがイライラしているところ、ヘイトがたまっているところなので。何とかします」と、ファンからの声に応える意向を示した。

H.O.Tの反則行為に対する苦言は、ネット上を中心に高まっている。棚橋社長は「もっとも本来スポーツで行われる反則は、何が何でも勝ちたいから、ちょっとでも反則してでも有利な状況にしたいというのが理由じゃないですか。でも、今の新日本プロレスで行われている反則は、ただ相手を痛めつけたり、試合をぶち壊す反則になってしまうので。反則であっても見極めが必要かなと。H.O.Tは許さない、以上です」と悪質性を指摘した。

とはいえ、プロレスはそもそも反則が5秒まで認められる特殊な競技であり、かつレフェリーの目を盗んでの反則は世界中のあらゆる団体のリングで横行している。一概にH.O.Tだけを許さないというのはなかなか難しい。それでも棚橋社長は「特にファンの間で何とかしてほしいという意見が集まっているのがHOTなので、まずはそこから着手します」と一丁目一番地に指定した。

さらに木谷高明オーナーも補足説明した。「不景気や成長率もマイナスになってるところで、税金も物価も上がって給料もなかなか上がらないという、日ごろストレス抱えてる状況の中で、プロレスでもまたストレスを抱えるのかというのが、今一番お客さんから来ている一番の不満の根底にあることだと思う」と分析。

「我々ができることとしては、例えば悪いことをしそうだなというユニットの試合はメインで組むべきではないと僕は思ってまして。会社側やマッチメークでできることは、そういうところかなと思ってます。やはり最後はスカッとした感じで帰っていただいたほうがいいと思うので、細かい工夫をすべきかなと思ってます」と、H.O.Tをメイン戦線から外すという極端な強硬手段も示唆していた。

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