「キマグレン」が9年ぶり再結成「見に来てくれた人がハッピーになってくれたら」

「キマグレン」のISEKI(左)とクレイ勇輝

2015年に解散した2人組音楽ユニット「キマグレン」が再結成したことが4日、明らかになった。9月1日に神奈川・鎌倉市材木座でワンマンライブ「キマグレン―再会と再開―」を行う(詳細は後日発表)。9年の時を経て、なぜ今再結成するのか。そもそもなぜ解散したのか。メンバーのクレイ勇輝(43)とISEKI(43)を直撃した。

――なぜ今、再結成

クレイ 昨年8月に母が亡くなったのがきっかけでした。生前よくライブにも来ていたし、「もう一度聞きたい」と応援してくれていたので。年末にISEKIに連絡して「このタイミングでキマグレンやるのはどう? 母親も言ってたんだ」と話をしたんですよ。

――ISEKIさんはどう受け止めた

ISEKI シンプルに「やりたいな」と。解散して9年、それぞれ独立してやっていますが、音楽を楽しみたいと思いました。

――その後、顔を合わせた

クレイ まずはメシだろ、と。2月に横浜の焼き肉屋に行きました。

ISEKI 高級じゃないけどね(笑い)。

――それからとんとん拍子で再結成?

クレイ いやいや。9年間の時間があったので、「ライブやるならライブハウスより海でやりたいよね」とか、「曲は何やる?」とか、「1回リハーサル入る?」とか、探り探り…。

――そもそもなぜ解散

クレイ ユニット名にあるように、もともと〝気まぐれ〟で始まったのが、いつの間にかマジメになっていたんですよ。自分たちが知らないところでいろいろなことが決まっていく。しゃべっている言葉も、奏でている音も、誰かが作ったものを、ただやっているんじゃないかと悩んでいました。

ISEKI 隣で苦しんでいるクレイを見ていたので、解散の話が出た時は「そうだね、もう限界だね」と思いました。自分たちのことを自分たちで決められないと人って苦しくなるじゃないですか。だったら、そこから一度抜け出してみよう、と。

――活動中、思い出深い出来事も多かったのでは

ISEKI 5周年の時に日本武道館で初ライブをやった時ですね。(チケットが)ソールドアウトしなかったんですよ。なので「次やる時は満杯にしてやるぜ」とステージで約束したのが、実は今でも心に残っています。これは守りたいですね、のんびりとですけど。

クレイ 僕らで音楽をやり始めて全く知らない人がチケットを買ってくるようになった時は「やべぇ!」と心を揺さぶられましたね。初めは友達を呼んでましたから。

――9年間でお互い変わったところ、変わっていないところ

ISEKI クレイが変わっていないのはハンパない行動力です。やろうと決めた時には、もう半歩出ている。そこはリスペクトしています。変わったのは猪突猛進で人の話を聞かなかったのが、別人のように聞くようになったことですね。

クレイ 解散前はファイティングポーズを取っていたのが、今では幼なじみの時のように無防備になったこと。そこは変わったよね。変わっていないのはブレないところ。嫌なものは嫌、良いものは良い、みたいな。

――そういう意味でも再結成は納得して決めたと

ISEKI そういうことです。

――9月1日にワンマンライブを行う

クレイ 違ったアーティストとして見てもらえるぐらいに仕上げたいよね。

ISEKI 9年間培ってきたすべてを出したい。見に来てくれた人がハッピーになってくれたらいい。

☆きまぐれん 神奈川・逗子育ちの幼なじみであるクレイ勇輝(くれい・ゆうき)とISEKI(いせき)の2人組音楽ユニット。2005年に海の家兼ライブハウス「音霊」を立ち上げる中で結成。08年に「あえないウタ」でメジャーデビューする。その年の「第59回NHK紅白歌合戦」に初出場。代表曲「LIFE」は京急電鉄新逗子駅(現逗子・葉山駅)の駅メロディーに採用された。結成10周年となった15年夏に惜しまれながらも解散したが、24年に再結成を発表。

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