住宅トップランナー基準、強化へ

国土交通省と経済産業省は合同会議を開催し、住宅トップランナー基準を強化する方針を明らかにした。新たに太陽光発電の目標値も検討していく方針だ。

住宅トップランナー基準は、構造・設備が規格化された住宅を年間一定戸数供給する事業者を対象として、省エネ基準を上回る基準を目標年度までにクリアすることを努力義務として求めるもの。

現行のトップランナー基準の目標年度は、建売戸建住宅が2020年度、注文戸建住宅と賃貸アパートが2024年度となっていることもあり、今回、国土交通省から基準の見直し案などが示された。

見直し案では、目標年度を2027年度として、外皮基準は現行の省エネ基準レベルから強化外皮基準に強化する方針が示された。強化外皮基準はZEHレベルの基準であり、省エネ基準の義務化も踏まえ、基準を一段階強化していきたい考えだ。

また、一次エネルギー消費量の基準であるBEI(再エネを除く)については、建売戸建住宅は0.85から0.80、注文戸建住宅は0.80から0.75、賃貸アパートは0.90から0.80へ強化する。

同省の調べによると、2022年度の実績で強化外皮基準に適合している住宅の戸数割合は、建売戸建住宅で56.7%、注文戸建住宅で79.6%、賃貸アパートで78.1%にまで達しているという。

また、基準案で示されたBEIを2022年度実績でクリアしている住宅戸数の割合は、建売戸建住宅で72.7%、注文戸建住宅で58.6%、賃貸アパートで55.4%となっている。

太陽光発電の設置率の目標値も検討していく。太陽光発電については、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」のとりまとめにおいて、2030年までに新築戸建住宅の6割に設置するという目標が示されている。しかし、現状の設置率は31.4%に留まっているという。そこで、建売戸建住宅と注文住宅について、住宅トップランナー基準に太陽光発電設備の設置に関する目標を設定することも検討していく方針だ。

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