「岸田おろし」顕在化…自民横浜市連会長「総裁自ら身を引く決断を」 地方組織トップが公然と退陣要求

「総裁自ら身を引く決断を」と発言した自民党横浜市連の佐藤会長=横浜市中区

 自民党横浜市連の佐藤茂会長は4日、同市中区で開かれた2024年度の大会で登壇し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正のめどが立ったとして、「総裁自ら身を引く決断をしていただきたい」と述べ、新たな体制で次期衆院選に臨むべきだと明言した。政治とカネの問題で党勢が低迷する中、党地方組織のトップから岸田文雄首相(総裁)に対し公然と退陣要求が飛び出した形だ。

 佐藤氏は足元の情勢を、政権交代が起きた09年に匹敵する逆風の状態だと表現。政治とカネの問題に「終止符を打つ」ために「総裁自ら責任を取り、身を引く苦渋の決断」を要望し、「強いリーダーシップを取れる新進気鋭の総裁を選び、変革の証を国民に示していかないといけない」と力を込めた。

 大会後、報道陣に対して佐藤氏は「めどが立った時点で身を引いていただきたいと党員、党友のみんなが思っている」と説明。「岸田総裁の下で衆院選は戦えない、それを代弁した」と話した。発言内容は市連内で事前に共有したという。

 佐藤氏は前会長の島村大参院議員の急逝により、今年3月に会長に就いた。市議の就任は27年ぶり。

© 株式会社神奈川新聞社