【DeNA】2番手ウィックが来日初勝利 「イリキサンは私の日本のお父さん」ウイニングボールで伝える感謝

【横浜DeNA-オリックス】初勝利し三浦監督と一緒に笑顔を見せるウィック(右)=横浜

 横浜DeNAは4日のオリックス戦(横浜)に3―1で競り勝った。1―1の七回に2番手で登板したローワン・ウィック投手がうれしい来日初勝利。1回を1安打無失点に抑えると、直後に味方が勝ち越しに成功し、白星が転がり込んできた。

 150キロ台中盤の直球を軸にストライク先行でぐいぐいと押し込んだ。2死一塁から中川に粘られたが、根負けせず、9球目のカットボールで遊ゴロに打ち取った。

 開幕1軍をつかむも、2試合登板後に登録抹消。来日前まで高めでストライクを取っていたが、低めにボールを集めて勝負する投球スタイルへの変更に努めた。ファームで熱心に指導してくれた入来2軍チーフ投手コーチへの感謝は尽きず、ウィックは「2軍での生活が結果に表れて良かった。イリキサンは私の日本のお父さん」と言った。ウイニングボールは入来コーチに手渡すつもりだ。

 カナダ出身で、米大リーグ・ブルージェイズのファン。2013年に同球団に加入した川崎宗則のコミュニケーション能力に目を奪われたという。英語は拙くとも堂々と話し、インタビューでは地元ファンを爆笑させていた。そんな川崎の姿勢に共感し、「俺も日本語を頑張って覚えて、彼のようにみんなとコミュニケーションを取りたいんだ」と目を輝かせる。

 5月31日の日本ハム戦(エスコン)で来日初セーブを挙げ、ハマスタでも結果を残した。お立ち台で穏やかな笑みを浮かべた背番号62は「素敵な夜になった。勝つことができて良かった」。さらなる順応を見せて、横浜の地に溶け込んでいく。

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