敦煌文化に関する交流イベント、北京の日本大使館で開催

敦煌文化に関する交流イベント、北京の日本大使館で開催

5月31日、敦煌文化に関する交流イベントで記念撮影する参加者。(北京=新華社配信)

 【新華社蘭州6月4日】中国北京市の在中国日本大使館でこのほど、敦煌文化に関する交流イベントが開かれた。甘粛省敦煌市にある世界文化遺産、莫高窟(ばっこうくつ)などに代表される敦煌文化を世界に紹介する「敦煌文化グローバルリンキング」と題した取り組みで、金杉憲治駐中国大使や在中国日本関係機関の代表らが参加した。

 敦煌研究院の趙声良(ちょう・せいりょう)研究館員が「敦煌文化の価値」と題した講演を行い、敦煌の文化財の保護・研究活動や日本の関係者との協力などについて語った。趙氏によると、中日両国は1980年代から手を携えて敦煌文化の保護に取り組み、実りある成果を上げるとともに、敦煌を通じた深い友好関係を築いてきた。

敦煌文化に関する交流イベント、北京の日本大使館で開催

5月31日、イベントで講演する敦煌研究院の趙声良(ちょう・せいりょう)研究館員。(北京=新華社配信)

 金杉大使はあいさつで、敦煌の文化財保護を巡る日中両国の協力は歴史に残る素晴らしい取り組みであり、両国の協力がより良い方向に発展することを期待すると述べた。

 甘粛省人民政府外事弁公室の張宝軍(ちょう・ほうぐん)主任は「敦煌文化はさまざまな文明の長きにわたる交流と融合の結晶である」とした上で、日本の各界が長年、敦煌文化に関心を寄せ、敦煌学の研究や敦煌文化の継承・保護に大きく貢献してきたと語った。

 敦煌市の朱建軍(しゅ・けんぐん)市長は、日本の友好都市との交流状況や最近日本を訪問した際の感想を紹介。日本の各界の友人を敦煌に招待して、文化交流や文化財保護などで両国の協力が一段と深まることを期待したいと話した。

敦煌文化に関する交流イベント、北京の日本大使館で開催

莫高窟第275窟の交脚菩薩と東京国立博物館所蔵の菩薩交脚像との対比図。(資料写真、蘭州=新華社配信)

 中日両国は長年、敦煌文化の保護・継承で協力してきた。58年には、当時の敦煌文物研究所の常書鴻(じょう・しょこう)所長が敦煌壁画の複製を多数携えて日本で展覧会を開き、日本画家の故平山郁夫氏や小説家の故井上靖氏らを魅了した。平山氏は敦煌を好んで題材とするようになり、文化財保護事業や関連人材の育成に尽力。井上氏はベストセラーとなった小説「敦煌」を書いた。数十年もの間、日本の友人の力強い支援の下、敦煌研究院の学者が日本に留学し、日本側と手を携えて敦煌の文化財保護に関する活動を行ってきた。ここ数年は芸術展や文化交流などの活動を続けている。

 敦煌文化グローバルリンキングは、甘粛省人民政府外事弁公室と敦煌研究院の主催。敦煌文化のPRや文明交流の促進、人的交流の強化を目的としており、これまでにドイツやウズベキスタン、ニュージーランド、スイスなど13カ国で開催している。(記者/張玉潔)

敦煌文化に関する交流イベント、北京の日本大使館で開催

1958年に日本で開かれた「中国敦煌芸術展」。(資料写真、蘭州=新華社配信)

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莫高窟第285窟で撮影調査を行う敦煌研究院と東京文化財研究所の職員。(資料写真、蘭州=新華社配信)

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