【新日本】棚橋社長「H.O.T は何がやりたいんだ、コラ!」 介入・乱入撲滅へ〝名指し〟理由を激白

あらためて「介入・乱入」撲滅への決意を語った棚橋弘至社長

新日本プロレスの棚橋弘至社長(47)が、「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」の反則行使を厳しく取り締まる指針を示したことで波紋が広がっている。社長就任半年会見で示した10の指針の中で、ファンからの不満の声に応えた格好だ。とはいえ、プロレスはそもそも反則が5秒以内であればOKという特殊な競技。棚橋社長が考えるH.O.Tの問題点とは――。

会見で棚橋はチケット券種の多様化やAEW・スターダムとの関係強化だけでなく、乱立化したベルトの価値向上など、リング上の具体的な指針も発表。さらに「新日本で今一番そこがファンの皆さまがイライラしているところ、ヘイトがたまっているところなので。何とかします」とH.O.Tの乱入・介入行為の阻止を掲げた。

そもそもプロレスは、グーパンチなどの反則も5秒以内であればOKという特殊な競技。ビデオ判定の導入など、興ざめすぎてもってのほかだ。ゆえにレフェリーに絶対的な権限が与えられており、会社から特定ユニットの反則行為に警告が与えられるのは珍しい。2018年のG1では連日介入を繰り返したバレットクラブの該当選手に「3か月の試合出場停止」および「罰金処分」が警告されたこともあるが、現段階でH.O.Tに対する具体的ペナルティーはないという。

また、SANADAやジェイク・リー(ノア)など乱入で新日本参戦の機会をつかんだ選手も多く、H.O.Tだけを厳しく取り締まるのはダブルスタンダードとなる危険性もある。では、いったいどこが問題なのか。

会見後の取材に応じた棚橋は「乱入に目的がないからですよ。ジェイクは内藤(哲也)を襲撃して存在をアピールしてきたわけじゃないですか。ただH.O.Tは試合をぶっ壊すというかね。勝ちたいという気持ちより、好き勝手にやりたいという。延長線上に見ているものがあれば別ですが、〝H.O.Tは何がやりたいんだ、コラ!〟と長州(力)さん口調にならざるを得ないですね」と斬り捨てた。

H.O.Tは無効試合や反則決着を繰り返しているわけではないため、あくまで勝利のために無法手段を選んでいるように見えなくもない。

それでも棚橋は「せっかくプロレスの間口を広げて、好きになってもらった人に、そこで嫌いになられたり、もういいかと思われるのは本当に悲しいので。自分たちで自分たちの首を絞めてどうするんだという気持ち。彼らなりの矜持もあってのことだと思うんですが、社長としては許せないんで。選手としてぶっ潰しにいきます」とキッパリ。新日本マットの秩序を巡る対立は必至で、今後の動向に注目が集まりそうだ。

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