特殊詐欺被害、福井県内で現役世代の被害目立つ 5月までで既に昨年総額に迫る

 福井県警によると、県内の今年1~5月の特殊詐欺被害額は、5730万円(前年同期比3826万円増)で、既に昨年の年間総額6千万円に迫っている。認知件数は5件減って8件となったが、40代と50代の2人が「未払い金がある」などと実在しない話を持ちかける架空料金請求の手口で、被害総額の8割超に当たる計約4800万円をだまし取られた。高齢者だけでなく現役世代の被害が目立ち、県警は注意を呼びかけている。

 福井市の50代男性は、通信事業関連会社や警察などをかたる男から相次いで電話を受け、2カ月で25回にわたり計1637万円をだまし取られた。発端は昨年11月末、携帯電話にあった「29万9600円の未払い金がある。支払わないと裁判になる」という偽の連絡。指示通りにコンビニで計30万円分の電子マネーを購入し、カードの番号を伝えた。

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 一度要求に応じてしまうと、それ以降も不審な電話が次々かかってきた。「あなたの携帯電話がハッキングされ、ランサムウエアの被害者が出ている。被害金を保証する必要がある」「逮捕を免れるためにはお金が必要」。男性は1月中旬までの間、その都度電子マネーを購入してカードの番号を教えたり、指定された口座に振り込んだりした。1回の最大被害額は500万円で、宅配便で送付した。電話では「お金は後で返ってくる」とも言われていた。

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