自己主導のグローバル化を進める中国―仏メディア

4日、仏RFIの中国語版サイトは、中国が自己主導のグローバル化を進めているとする仏紙ル・モンドの経済評論員フィリップ・エスカンデ氏の文章を掲載した。

2024年6月4日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国が自己主導のグローバル化を進めているとする仏紙ル・モンドの経済評論員フィリップ・エスカンデ(Philippe Escande)氏の文章を掲載した。

文章の中でエスカンデ氏は、米中両国が2日にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)にてそれぞれ自身の実力を誇張し、互いの意見の対立を改めて鮮明にしたと同時に、近ごろ中国の勝利を意味する象徴的な三つのニュースがあったとした。

一つ目は科学技術上の勝利として、中国の月面探査船「嫦娥6号」が2日に月の裏側への着陸に成功したことを挙げた。一方で米国は有人宇宙船スターライナーが発射の最終段階で再び発射を中止したとし「この二つの事件を並べて論じないわけにはいかない」と評している。

二つ目は、トランプ前大統領が中国のショート動画プラットフォームTikTokのアカウントを取得したこととした。トランプ氏は今月1日に最初の動画を公開し、翌日には200万人を超えるフォロワーを獲得したと紹介し、大統領在任中は「中国政府に代わって米国人の情報を盗んでいる」と主張してその排除を望んでいたトランプ氏が今やTikTokユーザーの仲間入りを果たしたことは、若者の注目を集める上でTikTokがもはや不可欠なツールになっていることを浮き彫りにしたと指摘した。

三つ目は、中国発の格安ネット通販プラットフォームSHEINが3日にロンドン証券取引所への上場を決定したとの報道を挙げた。EU離脱により多くの企業がニューヨーク証券取引所へと鞍替えし、低迷を続けてきたロンドン市場にとっては回復の大きなチャンスであり、「慎重な判断により本社を(中国ではなく)シンガポールに設けたSHEINは英国から厚遇をもって受け入れられるだろう」と評した。

エスカンデ氏は、中国が伝統分野を含む様々な領域において強い影響力を持つようになっており、中国の映画産業はもはや米ハリウッドを抜いて世界一となり、芸術市場でも米国を猛追していると指摘。大規模な国内市場や技術レベル、研究開発能力の高さにより世界の若者に喜ばれる製品を生み出す力を身に着けた中国はまさに今自らが主導するグローバル化を進めており、米国が中国を「瓶の中に封じ込めておく」ことは非常に難しいとの見方を示した。(翻訳・編集/川尻)

© 株式会社 Record China