「芒種」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「芒種」の意味

“芒(のぎ)”は、稲や麦などにある針状の毛のようなもので、芒種(ぼうしゅ)とは、稲や麦など、穂の実る穀物の種を蒔く季節のことです。昔は、芒種から夏至の頃にかけてが、種まきや田植えの忙しい時期でした。現在では、寒さに強い品種が作られ、種まきはもっと早くからできるようになっています。

芒種の七十二候

・ 初候:蟷螂生(かまきりしょうず) 6月5日~6月9日頃

蟷螂と書いて“カマキリ”と読みます。カマキリは漢字にすると鎌切と書くこともあり、鎌状の前脚が特徴です。昆虫だけでなく、ヘビやカエル、トカゲなどを捕らえて食べるもあります。
また、昆虫綱カマキリ目に分類されますが、ゴキブリやシロアリなどと同じ網翅目(もうしもく)と分類されることもあります。

・ 次候:腐草為螢(くされたるくさほたるとなる) 6月10日〜6月15日頃

中国では、かつては草が枯れて腐り、蛍(ホタル)になると考えられていたそうです。
蛍はきれいな水辺を好んで生息しています。蒸し暑い夜で風が弱く、月明かりが少ない日や、くもりまたは小雨程度の日が発生しやすい条件です。時間帯としては、日没後1~2時間ぐらいになります。

・ 梅子黄(うめのみきばむ) 6月16日~6月20日頃

梅の実は6~7月が収穫時期で、実が丸く膨らみ、熟すと黄色くなります。
多くは、梅干しや梅酒、シロップ、ジャムなどに加工され、個人でも作ることができて自分好みに調整できます。一般に、青い内に収穫されるものは梅酒や梅ジュース、黄色く完熟してから収穫されるものは梅干し用に利用されます。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、6月上旬~6月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 芒種(ぼうしゅ)の候
稲や麦などの種を蒔く季節となりましたね~という意味です。
二十四節気の芒種から次の節気の夏至(げし)の前日まで使うことができます。

② 梅雨(つゆ・ばいう)の候
梅雨の時期になりましたね~という意味です。
梅雨の始まる6月中旬から下旬頃に使われる挨拶です。

③ 入梅(にゅうばい)の候
梅雨入りの時期になりましたね~という意味です。
雑節の入梅にあたる6月11日頃か、梅雨入りをする6月上旬頃によく使われます。

④ 深緑(しんりょく)の候
木々の緑が濃くなる時期になりましたね~という意味です。
6月全般に使える便利な挨拶です。

⑤ 黄梅(おうばい)の候
梅の実が黄色に色づく頃になりましたね~という意味です。
七十二候の梅子黄にあたる6月中旬頃に使うのがおすすめです。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。

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