インド株、海外資金流出が過去最高 総選挙で政策継続性巡る懸念

Bharath Rajeswaran

[ムンバイ 4日 ロイター] - インドのナショナル証券取引所(NSE)が発表した暫定データによると、4日の取引で外国機関投資家(FII)のインド株売り越し額が1243億6000万ルピー(約15億ドル)と過去最高を記録した。

インド総選挙の開票作業が4日始まり、モディ首相率いるインド人民党(BJP)中心の与党連合は過半数を獲得。ただ、BJPが圧勝するとの当初予想に反し、単独過半数獲得には至らなかった。

これを受け政策の継続性に対する懸念から、NSEニフティー50指数とSENSEX指数はともに約6%下落し、新型コロナ禍の行動制限を受けて市場が急落した2020年3月以降で最悪のパフォーマンスとなった。

FII売り越し額のこれまでの過去最高は今年1月17日の1057億8000万ルピーだった。

DSPミューチュアルファンドの株式担当責任者、ビニット・サンブレ氏は「BJPが主導する政権下で進められてきた改革の減速が懸念されており不透明感が漂っている」と述べ、投資家が見通しを再評価する中、市場の調整につながったと指摘した。

国内機関投資家(DII)も売り越しに転じ、売り越し額は331億9000万ルピーと約2カ月ぶりの高水準となった。

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