川崎普照さん死去 93歳 彫刻家、芸術院会員 茨城にゆかり

川崎普照さん

茨城県ひたちなか市ゆかりの彫刻家で日本芸術院会員の川崎普照(かわさき・ひろてる)さんが5月31日午前、老衰のため都内の自宅で死去した。93歳。葬儀は11日午前11時から東京都荒川区町屋1の23の4、町屋斎場で。喪主は長男で彫刻家の義昭(よしあき)さん。

1931年、東京都生まれ。本籍は父親の出身地、旧那珂湊町(現ひたちなか市)。都立武蔵丘高卒。59年に彫刻家として活動を始め、斎藤素巌や平野敬吉に師事。日展や日彫展を発表の場に創作を続け、93年に「未来への讃歌」で日展内閣総理大臣賞、98年には「大地」で日本芸術院賞に輝く。2004年に日本芸術院会員に選ばれ、07年には旭日中綬章を受章した。

日本芸術院会員の彫刻家、能島征二さん(82)=同県水戸市=は「さまざまなことをやって美術界を盛り上げる仲間だった。惜しい人を亡くした」と悼んだ。

本籍があるひたちなか市の大谷明市長は「日本の彫刻分野で多大な貢献をされたことをしのび、謹んで哀悼の意を表します」とコメントした。

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