大村工の厚い壁破る バレー男子・鎮西学院3年ぶりV 第76回長崎県高総体第4日

【バレーボール男子決勝、大村工-鎮西学院】第1セット、鎮西学院のOH山本がスパイクを放つ=諫早市中央体育館

 第76回長崎県高校総合体育大会第4日は4日、県内各地で9競技が行われ、バレーボールの男子は鎮西学院が3年ぶり2度目、女子は西彼杵が初の優勝を飾った。バスケットボールの男子は瓊浦がV2を達成。女子は長崎西が島原中央を71-52で下して3連覇を果たした。
 陸上は男子3000メートル障害の牟田颯太(鎮西学院)が8分59秒26、女子100メートル障害の松田晏奈(長崎日大)が13秒82のそれぞれ大会新でトップゴール。総合は長崎日大が3年連続で男女優勝した。男子は5連覇、女子は3連覇。
 卓球女子個人シングルスは野田有那(鎮西学院)、バドミントン女子個人シングルスは西田美夢(諫早商)が優勝。野田と西田は団体、個人ダブルスと合わせて3冠に輝いた。
 第5日は5日、大村市の県営放虎原ラグビー場でラグビーの準決勝を実施する。

◎「最高の出来」初の全国舞台へ
 3年ぶりに全国への扉をこじ開けた。バレーボール男子決勝は、鎮西学院が今季、一度も勝てていなかった大村工にストレート勝ち。戸田監督は「県高総体に照準を合わせて選手たちは頑張ってきた。最高の出来」と最大級の賛辞を贈った。
 現3年生は鎮西学院が3年前に県高総体、全日本選手権県予選を制した姿に憧れて入学してきた。だが、現実は厳しく、そううまくいかない。何度も大村工の壁にはね返され、今季は県内主要大会で決勝にすら進めなかった。消極的なミスで自滅し続けてきた。
 だが、この日は違った。一人一人が練習で課題を克服してきていた。第1セットから攻めるサーブで相手守備を崩して、ブロックで何度も仕留めた。第2、3セットは終盤までもつれ、1点の重みが増す展開になったが、主将のOH山本の「焦るな、落ち着け」という声がチームを冷静にさせた。勝負どころでセッター東がOH山本のしなやかなスパイクを引き出し、OH園田の打点の高さを生かした。二枚看板が躍動して大村工を突き放した。
 今の選手たちにとって、インターハイは初の全国舞台となる。目標は3年前に達成できなかった8強以上だ。勝利の立役者となった山本は「どこが相手でも勝つ。そのために気持ちを入れ直して、夏までにもう一段階強くなる」。心身ともにたくましくなったチームが、県王者になった自信を胸に全国の強豪を倒しにいく。

© 株式会社長崎新聞社