両エース大会新V 長崎県高校陸上界を引っ張る2人の“ハードラー” 日本一に挑む

  

 今季の長崎県県高校陸上界を引っ張る2人の“ハードラー”が期待通りの大会新Vを飾った。女子100メートル障害の松田(長崎日大)は準決勝で13秒96、決勝で13秒82と新記録を連発。男子3000メートル障害の牟田颯(鎮西学院)も従来の記録を10秒以上更新する8分59秒26で快勝した。
 松田の自己ベストは日本高校歴代2位に当たる13秒38。4月のU20アジア選手権で銀メダルを獲得した。今大会はコンディションが十分に整っていない中で「出ると思っていなかった」という13秒台を並べる安定感を発揮。走り幅跳びと合わせて2冠に輝き、チームの総合V3に花を添えた。
 牟田颯は北九州王者として挑んだ昨夏のインターハイで、本来なら固定されているはずの障害が倒れるアクシデントに巻き込まれた。左脚すねを強打して再レースは棄権。心身の傷は深かったが、仲間の支えで立ち直り、今季は都大路を目指すチームの主将を任された。5月に8分56秒48の県高校記録も樹立して「あの挫折に感謝している」と実感を込める。
 どちらも3年生、集大成の夏を迎える。松田は「長崎県全体を引っ張っていけるように」とエースとしての自覚を口にした。牟田颯も「昨年より確実に力はついている」と自信満々。満を持して、日本一に挑む。

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