都議会代表質問 選挙戦見すえ舌戦

都議会も知事選を意識した動きを見せています。都議会の代表質問が6月4日に行われ、来月投開票となる都知事選挙を前に、各会派が早くも選挙戦を見据えた舌戦を繰り広げています。

最初に質問に立ったのは第1会派の自民党です。今回の知事選では独自候補の擁立を見送り、小池知事への支援を模索する中、知事のこれまでの政策を評価しました。

自民党 ほっち易隆都議:「コロナ禍でのオリンピック・パラリンピック大会の開催や死亡率の低さなど東京が世界から高く評価を得たことは周知の事実です」

さらに小池知事に対し、今後の都政運営の決意を求める場面もありました。

自民党 ほっち易隆都議:「都民が真の豊かさを感じられる社会へと進化させるために、小池知事の今後の都政運営に向けた決意をお伺い致します」

小池知事:「東京の強みを見極め、どう生かすのかを考え抜き、都政をさらに加速することが重要。都議会の皆様と知恵を出し合い、世界一の都市を築きあげる、こうした思いで都政運営に集中している」

また都の政策をめぐっては、行方不明となった認知症の人たちの対策について質問し、東京都は「警視庁が把握している認知症の行方不明者に関する情報を区市町村に提供する」新たな対策を明らかにしました。そして、続いて質問に立った小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会も、知事の実績を評価しました。

都民ファーストの会 村松一希都議:「小池知事はそのリーダーシップにより、仕事と子育ての両立や子育て支援、デジタル化など、古い政治で長らく置き去りにされてきた領域に光をあて、男性の育児参画を含めた女性活躍など、国に先んじた施策を次々に実現してきた」

また先週、都知事選への立候補を表明した立憲民主党の蓮舫参院議員を意識したとみられる発言もありました。

都民ファーストの会 村松一希都議:「まもなく都知事選挙が予定されていますが、都民が期待するのはこれから先の東京のビジョンとそれを実現する政策であり、実績を踏まえないリセット発言や政治資金を巡る国政の混乱を都政と結びつける動きなど、政党間の政局争いを期待しているわけではありません。現実的な提案も無く、単に批判に終始する人には、都政の舵取りを任せることは到底できません」

また、未成年にふさわしくない漫画や小説などを指定する「不健全図書」の制度について「成人に対する販売が規制されるものではないことを明らかにすべきだ」と質問し、東京都は「誤解が無いよう記載方法を検討していく」と答えました。

ここからは、都庁や都議会を取材している椿原キャップに中継で伝えてもらいます。

これまでの取材で感じたのは、都民ファーストの会からの質問に対する知事の答弁回数の多さでした。現在(4日午後8時過ぎ)代表質問を行っている立憲民主党をのぞきますと、自民党の質疑に対しては9回、公明党には10回、共産党には12回、知事が答えていましたが、都民ファーストの会に対しては17問、答えています。

会派からの質疑には、知事に答弁を求めるものや都の見解を求めるものなどがありますので、その回数だけで単純には比較できないのですが、それでも都民ファーストの会への 知事の答弁の回数というのは多い印象を受けました。

またその答弁内容についても、国に先駆けた高校授業料の実質無償化やコロナ禍で早期に対応できる体制を整えたことなど、これまでの小池知事の8年間における成果を強調するような回答が目立ちました。小池知事はまだ今度の知事選への出馬を表明していませんが、6月4日の答弁を通して、知事選へのアピールにつなげる狙いがあるように感じました。

そして一方で立憲民主党の代表質問は、知事選への対立を前面に打ち出した内容となっています。立憲民主党は、すでに知事選への出馬を表明している蓮舫さんを支援していまして、現在行われている代表質問でも、知事の学歴詐称問題や小池知事が訴えてきた公約の検証の必要性などをテーマに知事の答弁を求めました。

知事は自身の学歴詐称問題や2016年に掲げた7つの公約などについて自ら答弁に立ちましたが、「質問の前提が間違えている」と答えるにとどめました。代表質問の内容と答弁をみていますとすでに都知事選への布石と言えそうです。

都議会では、6月5日に一般質問が行われますので、引き続き知事の答弁内容が注目されます。

© TOKYO MX