面接官が1時間遅刻したくせに「あなたやっていけますか?」と上から目線 ある女性の忘れられない記憶

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面接官の横暴な態度をどこまで許せるだろうか。東京都の40代女性は転職活動の際、面接官が1時間遅刻してきた挙句、謝罪がなかった。面接の最中も女性を下に見てきて、

「人を馬鹿にしたような言い回しで 『5年働いてやっと一人前の世界ですが、あなたやっていけますか?』と言われた」

遅刻してきた面接官が「あなたやっていけますか?」とは何事か。あなたにだけは言われたくないと思っただろう。編集部は女性に取材を申し込み、詳しく話を聞いた。

「絶対受かって断ってやるという妙な執念を持ちました」

女性がこの失礼な面接を受けたのは20年ほど前、応募したのは「コールセンターのスーパーバイザー業務」だった。面接は全部で1回きりで、これで採否が決まるとあって女性は気合を入れて臨んだが、出鼻を挫かれてしまった。面接官に待たされている間、「失礼な対応に感じた」といい、帰ろうか悩んだものの、

「心象悪くするのは良くないと思ったので、絶対受かって断ってやるという妙な執念を持ちました」

理由はどうであれ気合を入れ直したようだ。そして1時間後、やって来た面接官は3人で全員が50代の男性だった。誰1人として謝罪しなかったことについて女性は、

「恐らく待たせている認識がなかったと思います。特に何も言わずに普通に面接が始まりました」

と呆れたように言った。

「理由は御社で考えてください」と言って辞退

女性が通された面接会場は大きな会議室で、面接官とは5メートルほど離れていた。

「大声で話すまではいかない距離でしたが、声を張らないと届かないみたいな感じでした」

4人で使うには広すぎたようだ。ほかに空いていなかったのかもしれないが、お互い無駄に疲れそうだ。

肝心の面接はひどいものだった。当時の女性は3年間働いていた会社を転職しようとしていた。そこに目をつけた面接官の1人が馬鹿にしたかのような口調で、「5年働いてやっと一人前の世界ですが、あなたやっていけますか?」と聞いてきたのだった。女性は、そのときの心境をこう振り返った。

「こんな人たちと一緒に働くのは無理だろうなあと思いましたが、『精一杯頑張ります!』と答えました」

こうして最後まで大人の対応をした女性。結果は採用で、面接した日のうちに電話がかかってきたというから印象がかなり良かったのだろう。

もっとも女性は、面接官を待っている間に「絶対受かって断ってやる」と心に決めていた通り、丁重に辞退した。

「人事担当者からお断りの理由をしつこく聞かれました。なぜ断るのか不思議なご様子でした。自分たちの胸で考えて欲しいと思ったし、ヒントを与えたくもないので、『理由は御社で考えてください』と言って電話を切りました」

人事担当者は面接官に心当たりがないか聞いたのだろうか。しかし、遅刻の謝罪すらしなかった面接官だ。おそらく辞退の理由が理解できず、人事担当者は困り果てたのではないだろうか。一方で女性はこの面接のあと異動になり、2年ほど働いたのちに転職したそうだ。

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