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オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第190回は「アカエさま」だ。
秋田県沿岸地域に残されている話である。その村では、海辺でかくれんぼをしてはいけないという不文律があった。かくれんぼをすると「アカエさま」を呼び出してしまうからである。
だが、昭和時代その地域の子供であったAさんは禁忌を破って、海辺のかくれんぼに興じてしまった。すると、かくれんぼの参加者のうち女の子の友人がなかなか出てこなかった。
友人たちと捜していると、1人の老人と向き合って微動だにしない女の子がいた。老人は女の子の体に、針のような管を刺して、白い汁を吸い出していた。しかも、袋のようなものを使ってその汁を集めていたのだ。その後、大人がやってくると老人は姿を消した。
ミイラのように干からびてしまった女の子は、数日の闘病の末に亡くなってしまった。すると、不思議なことに集落は大変な豊漁になってしまった。
女の子の葬式には、村中の人たちが参加したのだが、なぜだか誰もがうれしそうであった。
A氏は長年、葬式で皆がうれしそうにしていたことが疑問だったが、それはアカエさまが子供の犠牲者を取ることにより、豊漁が約束されていたからだった。
かくれんぼという遊びには、神との交流が隠されている。一説には、「7歳までは神のうち」という言葉があるように、神様に身柄をさらわれやすいという。
近年でも、行方不明になった女子学生が近所の神社で見つかるなど奇怪な事件が起きている。