渋野日向子が全米女子オープンで快進撃! ドライバーシャフトのスペックダウンはありなのか!?

手元が硬い先中調子の『ツアーAD CQ5S』から、中調子で全体がしなる『スピーダーNXグリーン 5SR』に戻した渋野

「全米女子オープン」で渋野日向子が高精度のショットを見せて、見事に単独2位フィニッシュ。彼女の好調の要因の一つは、シャフトのスペックダウンにあった。最近、女子プロの間でシャフトのスペックを落とす動きが増えているが、その詳細をレポートしたい。

今大会で渋野は、ウェッジ以外のクラブのシャフトを変更し、ショットの安定性を向上させた。具体的には、ドライバーのシャフトを手元が硬い先中調子の『ツアーAD CQ 5S』から、中調子の『スピーダーNXグリーン 50-SR』に戻した。2日目終了後に彼女は、「先週まで使っていたシャフトは少し硬く、右に出すドローがうまく出なかった。そこで、以前使っていた軟らかめでヘッドが返ってくるシャフトに戻しました。ドライバーが気持ちよく振れる感覚があります。唯一ラフに外したのは16番のスプーン(3番ウッド)だけ。ドライバーで打てばよかったと思うほどです」と話し、手応えを感じた様子だった。

さらに、ユーティリティはスチール&カーボンシャフトの『スチールファイバー i70CW R』からカーボンシャフトの『ツアーAD HY75R』に、アイアンもスチール&カーボンシャフトの『スチールファイバー i95CW R』からカーボンシャフトの『MCI 80R』に変更している。

女子プロがより軟らかい、より軽いシャフトに変更してスペックダウンする意義を、クラブフィッターの吉田智氏は藤田さいきのギア解説の際に次のように語っている。

「藤田プロは今季、シャフトを以前よりもスペックダウンし、1年間戦う上で体に負担がかからないようなモデルを使用しています。特にアイアンシャフトは、以前使っていた『DG X100』から『N.S.PRO 950GH neo S』に変更しました。同じく手元が軟らかく中調子系で、よりしなり戻るタイプなので振りやすいと思います」

また、上田桃子のドライバーシャフト変更についても、「上田プロは、長年使っていた『ツアーAD PT 6SR』から『ツアーAD CQ 5S』に変更しました。今までは全体しなりの60g台の中調子シャフトを使っていましたが、今回は全体しなりの50g台の先調子系に変更しています。これは1年間ドローボールを安定して打つために変更したのだと思います」と語っている。

藤田や上田のようなハードヒッターが理想的な弾道を無理なく打てるようにするためのスペックダウンは、渋野にも適用されている。渋野の場合、フレックスを『5S』から『5SR』に変更することで、楽にドローボールが打てる仕様に変えたと考えられる。スイングの力だけでなく、クラブの力も借りることで、1年間無理なくプレーできる利点があるのだろう。

今後のメジャー大会で渋野がどんなショットを見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。

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