映画『帰ってきた あぶない刑事』、「コンプラ関係ない」公式Xの投稿が物議! 日テレの姿勢に批判も

写真ACより

映画『帰ってきた あぶない刑事』、「コンプラ関係ない」公式Xの投稿が物議! 日テレの姿勢に批判も

俳優・舘ひろしと柴田恭兵がダブル主演を務め、5月24日に公開された映画『帰ってきた あぶない刑事』が、順調に動員数を伸ばしているが、映画の公式X(旧Twitter)に否定的な意見が寄せられる事態となったいる。

目次

映画『帰ってきた あぶない刑事』、累計興収8億円突破!
公式Xの投稿にインティマシー・コーディネーターが疑問
日テレの“コンプラ揶揄”に批判も

映画『帰ってきた あぶない刑事』、累計興収8億円突破! 新規ファンも獲得か

『あぶない刑事』は、「タカ」こと鷹山敏樹(舘)と、「ユージ」こと大下勇次(柴田)による最強バディの活躍を描いた物語。1986年10月~87年9月にテレビシリーズ第1作(日本テレビ系)、88年10月~89年3月まで第2シリーズ(同)が放送されたほか、これまでに劇場版7作が公開されるなど、約38年にわたって愛されてきた人気作だ。

今回の『帰ってきた あぶない刑事』では、前作の映画版『さらば あぶない刑事』(16年1月公開)で刑事を卒業し、ニュージーランドで探偵事務所を開業したタカとユージがひょんなことから8年ぶりに神奈川県・横浜へ舞い戻ることに。

「T&Y探偵事務所」を開き、依頼人の女性の母親探しを行ううちに、2人はまたもや事件に巻き込まれていく――というストーリーが展開。舘、柴田、浅野温子、仲村トオルらレギュラーメンバーに加えて、女優・土屋太鳳がヒロイン役で参加している。

同作は5月24~26日の「全国週末興行成績ランキング」(興行通信社調べ)で、初登場1位を獲得。映画情報サイト・映画.comの記事(28日配信)によると、「初日から3日間で観客動員25万1600人、興行収入3億5300万円をあげ、初登場1位を獲得した」という。

「16年公開の前作『さらば あぶない刑事』は初登場2位で、公開後2日間の動員数は21万7273人、興行収入は2億9119万1700円を記録。最終興収は『16億3000万円超え』だったといいます。一方、新作は『興収20億円も射程圏内のヒットスタート』だそう。公開2週目には2位と順位を下げましたが、4日配信の映画.comの記事によれば、『週末3日間で動員17万5000人、興収2億3200万円を記録。累計成績は動員59万人、興収8億円を突破した』とのことです」(芸能ライター)

好発進をみせた『帰ってきた あぶない刑事』に対して、実際に映画を鑑賞したネットユーザーの間では「主演の2人は歳を重ねたけど渋さが出ているし、映画はそれを逆手にとった箇所も随所にあった」「ド派手なアクションシーンも懐かしくて、カッコ良かった」「オープニングから引き込まれてあっという間に終わった。今の時代では無理かと思っていたシーンも見れて大満足」と、好意的な感想が目立つ。

その大半はシリーズのファンから上がっているようだが、「『あぶない刑事』世代ではないけど、めっちゃ面白かった」「『あぶない刑事』は一度も見たことがないけど映画は楽しめた。過去作品も見てみようと思った」といった声も複数みられ、新規ファンも獲得しているようだ。

映画公式Xの「コンプラなんて関係ない」投稿にインティマシー・コーディネーターが疑問

一方、6月4日頃からは『帰ってきた あぶない刑事』公式Xのとある投稿が物議を醸している。

問題のポストは5月23日午後7時台のもので、映画の公開をPRしている内容だ。「コンプライアンスなんて関係ないね」という一文で始まり、「令和にタカ&ユージがスクリーンで大暴れ!! おたのしみにね」と、本編の映像とともにアップしていた。

すると、映画・テレビなどの撮影現場でヌードや性的シーンの撮影の際に、出演者やスタッフをサポートする「インティマシー・コーディネーター」の西山ももこ氏が6月4日、「SNS担当の人の感覚を疑う 敢えて言うのがカッコいいとでも思ってるのだろうか。思ってても言わなきゃいいのにねぇ」と、前述のポストに反応したのだ。

「インティマシー・コーディネーターは、ハラスメントやコンプライアンスが重要視されている近年、注目を集めている役割でもあります。おそらく、西山氏は『帰ってきた あぶない刑事』公式が発した『コンプライアンスなんて関係ないね』の部分に疑問を感じたものとみられます」(同)

西山氏がリアクションしたこともあり、元になったポストの引用コメント欄にも新たな書き込みが増えており、「『コンプライアンスなんて関係ないね』ってキャッチコピーだけで映画を見る気をなくす」といった意見が噴出。

また、実際に映画を見た人からは「コンプライアンスを意識してたと思うし、むしろそれが良い場面を生んでいた。宣伝文句がズレていると、見る前から評価が下がってもったいない」「『あぶない刑事』らしさも伝わってくる名作だったのに……。これは最悪のキャッチコピー」「広報が映画の価値を貶めていると言わざるを得ない」などと、落胆の声も上がっている。

ドラマ『セクシー田中さん』問題で、日テレの“コンプラ揶揄”に批判も

同シリーズを放送していた日本テレビといえば、昨年10月期放送の連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者である漫画家・芦原妃名子さんが今年1月に急死したことを受け、5月31日に社内特別調査チームの調査報告書を公表。

ドラマ化にあたり、原作者の意向に反して“改変”があったとされる問題で波紋を呼んでいる。

それだけに、「日テレ関連の作品でコンプライアンスを揶揄する宣伝はヘタすぎる」「日テレには確かにコンプライアンスなんて関係ないね」と、『セクシー田中さん』の一件と結びつけた日テレ批判もあった。

「ちなみに、公式Xが5月21日に公開した映画の予告映像では、主演の舘と柴田が役柄のままナレーションを務めており、2人がやりとりする中で、『コンプラか天プラかしらねーけど関係ないね!』というユージのセリフがありました。公式Xはこれを引用し、Xで『コンプライアンスなんて関係ないね』と発信したのかもしれませんが……」(同)

興行収入やネット上のレビューは好調であるものの、公式Xの一言によって一部の人々に不快感を与えた『帰ってきた あぶない刑事』。今回の出来事は、作品の評価に影響を及ぼすのだろうか?

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