海洋博公園や備瀬のフクギ並木も 観光スポットを周遊する無料バスがスタート 年間360万人が訪れる沖縄・本部町

 沖縄県本部町は5月31日、観光客が町内の観光スポット間を移動できる「もとぶ町内観光周遊バス」の出発式を開いた。観光客らが町内を移動する際の公共交通機関の実現を目指した実証実験で、運賃は無料。6月から来年2月2日まで運行する。

 バスは備瀬のフクギ並木や海洋博公園、町営市場などの観光スポットを巡るほか、渡久地港や町内の観光ホテルも通る。電気で走るEVバスで、34人が乗車できる。当面は1日4往復し、観光シーズンを迎える8月は運行を倍に増やす。

 人気観光スポットを抱える町には、那覇市などから高速バスを使って多くの観光客が訪れる。ただ、中南部から到着した観光客らが町内を回るための「2次交通」が発達しておらず、移動手段が限られることが課題だった。

 町は2022年度から周回バスの実証実験を続け、観光施設や利用者からニーズを聞き取っている。24年度の事業は国建が受託し、伊江島観光バスが運行する。予算は3千万円で沖縄振興一括交付金を充てる。平良武康町長は「本部町は年間360万人が訪れる県内きっての観光地。町内を移動する周遊バスは本部の観光の未来をつくり上げていく取り組みだ」と強調した。(北部報道部・松田駿太)

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