20年ぶりの新紙幣発行、飲食店は困惑 券売機入れ替え費用は1台100万円超も

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20年ぶりにデザインが変わる新しい紙幣の発行まで、1カ月を切りました。現金を扱う店では、券売機の入れ替えなど対応に追われています。

7月3日に発行される、新しいデザインの紙幣。 1万円札は、明治・大正期を中心に活躍した実業家、渋沢栄一。 5000円札は、女性の地位向上や高等教育に尽力した津田梅子。 そして1000円札には、細菌学者の北里柴三郎がデザインされています。 現在の紙幣は、2004年に発行が始まりました。今年はそのデザインが20年ぶりに大きく変わります。 現金を取り扱うお店では、新紙幣への対応に追われています。 愛知県春日井市のラーメン店「麺者すぐれ」。自家製の太麺を、柚子が入った豚骨ベースのスープでいただく「つけ麺」が人気のお店です。 お店では、メニューの注文に「券売機」を使います。券売機で食券を買い、店員に渡すスタイルです。 Q.新紙幣でこの券売機は? 「まるごと買い替えないといけないと言われました」(SUGURE 高松知宏 社長) Q.7月には間に合う? 「いま頼んでギリギリと言われているので、間に合わなくても旧紙幣と新紙幣をこちらで両替して、納品されるまで両替で乗り越えるしかないです」(高松社長)

業者に依頼殺到

券売機を扱う業者に依頼が殺到しているそうで、7月3日までに導入が間に合わない場合もあるということです。 Q.1台丸ごと替えると? 「170万円くらいと言われています。店舗はあと2つあるので全部で3つ。ひとつの店は紙幣を読み取る部分だけ交換、あと2つはまるごと交換です。全部でおそらく400万円くらい。かなりきびしいです」(高松社長) ただでさえ、材料の値上がりや水道光熱費の高騰が続くなか、負担がさらに重くのしかかります。 Q.直近で商品の値段変化は? 「半年くらい前に全部の商品を見直して、50円くらい値上げしている」(高松社長) Q.値上げの原因は何? 「完全に物価が上がって50円上げざるをえない。故障ならあきらめがつくけど、使い勝手も良くてきれいに使っていて、ここで交換はかなりきびしいです」(高松社長)

自治体がサポートも

新しい紙幣の発行に合わせて、券売機の買い替えや更新を自治体がサポートする動きもあります。 愛知県大口町では、町内の中小企業を対象に50万円を上限としてかかった費用の半分を補助しています。 大口町によると、5日午前までに2件の申請があったそうです。 新しい紙幣が出回るようになれば申請が増える可能性があり、担当者は「この先どうなるか、動向を注視したい」と話していました。

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