水原被告、銀行詐欺と虚偽の税務申告で有罪認める 量刑言い渡しは10月

野球の米大リーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャーズのスター選手、大谷翔平氏(29)の通訳だった水原一平被告(39)が大谷氏の銀行口座から約1700万ドル(約26億4000万円)を不正に送金したとして銀行詐欺と虚偽の納税申告書を提出した罪で訴追された事件で、水原被告が4日、カリフォルニア州サンタアナの裁判所に出廷し、罪を認めた。量刑は10月25日に言い渡される。

検察によると、水原被告は大谷氏の資金を、ギャンブルで膨らんだ自身の借金の支払いに充てていた。

今回の有罪答弁は、減刑と引き換えることで合意した司法取引の一部。

この事件は、3月に報じられて以降、日本とアメリカの野球ファンの間で注目を集めている。

報道によると、水原被告はオレンジ郡の連邦裁判所で行われた審問で、ギャンブルで多額の借金を抱えたと語った。また、借金を返済するには、大谷氏の銀行口座から送金した金を使うしか方法がなかったとした。

検察当局は、水原被告が大谷氏になりすまして銀行職員に電話をかけ、「従業員をだまして(大谷氏の)銀行口座から違法賭博関係者への送金を承認させた」と主張している。

カリフォルニア州中部地区のマーティン・エストラーダ連邦検事は先月、「(水原)被告の欺瞞(ぎまん)と窃盗の規模は甚大だ」とし、「彼は信頼された立場につけこんで大谷氏を利用し、危険なギャンブル癖に拍車をかけた」と指摘していた。

銀行詐欺罪で有罪となれば、連邦刑務所で最長30年の禁錮刑が科される可能性がある。虚偽納税申告罪の場合は最長で禁錮3年。

水原被告は違法賭博に絡む窃盗疑惑が報じられた3月に、大谷氏が所属するロサンゼルス・ドジャースを解雇された。

大谷氏は当時、「信頼していた方の過ちというのを悲しく、というかショックです」と述べていた。

大谷氏は昨年12月、ドジャースと史上最高の10年総額7億ドルの契約を結び、同球団の顔となった。

MLBでは2018年からプレーしており、常に水原被告が行動を共にしてきた。

英語のネイティブではない大谷氏は、メディアのインタビューにとどまらず、銀行関連業務や財務顧問とのやりとりなどでも、水原被告を頼りにしていたとされる。

(英語記事 Ohtani's ex-interpreter pleads guilty to fraud charges

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