パターのソールに大きな穴!? 『ピンパター KETSCH G』は確実に2パットで入れられる

ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。

【注目ポイント】
『ピンパター KETSCH G』は、ピンゴルフが2024年4月4日に発売したパターです。『ピンパター』ブランドは、2022年末に『ピンパター2023』として発売された10種類のラインナップでしたが、今回、追加ラインナップとして6つのヘッドが加わって16種類になりました。

『ピンパター』というブランドは、ピンを代表するパターが個々の能力を最大限に生かすようになっています。新しい理論で統一していないので、ピンの老舗の底力を感じさせます。今回のラインナップの追加と同時にピンゴルフは、パターフィッティングのキャンペーンをスタート。全てのゴルファーがタイプ別にパターを選ぶためのラインナップが『ピンパター』というブランドの存在意義というのが真相のようです。

『ピンパター』のコピーは、“ゴルファーの多様性に対応するために6種類のNEWモデルが追加。全16種類となって登場。”です。『ピンパター KETSCH G』は、実に面白いヘッドです。マレット型は、ある意味で最先端のヘッドタイプの流れを取り込んでいますが、ソールを見ると穴が開いてボールがハマるようになっていて、屈まずに拾えるのです。この手の遊び心は、米国のゴルファーの定番ですが、見えない所に穴があるのは珍しいです。

でも、『ピンパター KETSCH G』は、ふざけているパターではありません。複合素材を組み合わせたヘッド。低重心。これが安定した良い転がりを生み、「溝無しソフトPEBAX フェース」でやわらかい打感になるようになっているのです。何よりも、アドレスビューのフォルム、三角形気味の形状とサイトライン的な複数の直線を使ったデザインは、2024年の新しいトレンドの一つです。

ピンパターを代表する16ヘッドの一つとして『ピンパター KETSCH G』が選ばれていることは、今は少し不思議でも、少し先の未来では、先見の明があったのだと言われるのだと推測します。試打した日は、快晴、気温は8℃~21℃。微風。グリーンは8.5フィートの速さ。使用したボールは、使い慣れていてクラブの影響だけに集中できる『TOUR B X』です。

【打感・打ち応え】
『ピンパター KETSCH G』の打音ですが、音量は小さめです。音質は硬質ですが、少し鈍く響かない音です。打ち応えは、やわらかく、弱く感じます。手応えは、まあまあ敏感です。

【構えやすさ・方向性】
『ピンパター KETSCH G』は、狙いやすく、構えやすいです。曲線と後方の山型のバランスが絶妙で良いです。サイトラインが好きな人用に、かなり強調されています。

【距離性能】
『ピンパター KETSCH G』の距離感は、転がり過ぎない安心感があります。ミスヒットしても距離のロスが少ないやさしさは、わかりやすいです。しっかりと打っても良し、運ぶように打っても良しです。

【ロマン派ゴルフ作家語る】
『ピンパター KETSCH G』は、意外なことが第一印象になりました。OKパットを立ったまま拾えるソールの機能が、楽チンで、やるほどに気持ち良かったです。この機能、オマケだと馬鹿にする事なかれ、と思いました。

そして、誰でも使えるようなやさしさを強く感じました。ピンパターは、ツアーユースという宿命を背負っていますので、一発で決める為に磨き上げるようなチューニングをしているイメージがありますが、『ピンパター KETSCH G』は、そうではなく、2パットを確実にしていくように、長い距離を寄せて、2パット目を入れるという使い方をやさしく出来るようになっているという感じがしました。

ミスヒットに強いことが全面に出ていますが、短いパットを狙い通りにヘッドを引いて、戻せば入るみたいな簡単さも使うほど理解できます。ツアーユースのパターは、打音も機能ですが、『ピンパター KETSCH G』はそういう意味では独自路線です。小さく、やや鈍い音は、ゴルファーによってはダメだということもあると思いましたが、打音をブラッシュアップすることも全て、やさしさに注いだ感じです。

パットはやさしいほうが良い、と考えるゴルファーは、実際にはたくさんいます。好んでむずかしくする意味などない、と判断すれば、自然と『ピンパター KETSCH G』は使用する候補として順位を上げていくでしょう。
『ピンパター KETSCH G』は、ゴルファーを甘えさせてくれる愛を持ったパターです。自分を追い込まずに、楽しくパッティングするために生まれたのです。

【試打ギアスペック】

『ピンパター KETSCH G』

ヘッド素材 304ステンレススチール/ADC12
ロフト 3度
ライ角 70度
長さ 34インチ

【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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