大河ドラマ「光る君へ」第23回・雪の舞うころ

女優・吉高由里子が主演を務め、平安時代に長編小説『源氏物語』を生み出した女流作家・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。「雪の舞うころ」と題する第23回(6月9日放送)では、越前に滞在する宋人たちの本当の狙いが明かされるなか、まひろは周明と親交を深めていく。

浜辺で周明(松下洸平)と話すまひろ(吉高由里子)(C)NHK

■ 周明との出会い、疲労で倒れる為時…前回のあらすじ

長徳2年(996年)、まひろ(吉高由里子)は越前守に任官された父・為時(岸谷五朗)に同行し、都を離れて越前へと出立する。琵琶湖を舟で渡り越前の地へと着いた為時一行は、越前国府へ赴く前に敦賀の迎賓館「松原客館」へ立ち寄る。

松原客館には宋の商人たちが押し寄せており、彼らの長だという朱仁聡(浩歌)や、通事の三国若麻呂(安井順平)らが現れる。朱たちいわく、宋から乗ってきた船が壊れたので国守に修理を頼んだが、いまだに出来上がらないので滞在しているという。一方、滞在中に浜辺へ出かけたまひろは、そこで周明(松下洸平)という男性と出会う。

国府に到着した為時一行は、越前で役人を務める大野国勝(徳井優)や源光雅(玉置孝匡)らに出迎えられる。さっそく為時は宋人たちの船の修理について尋ねるが、光雅たちは宋人のことは自分たちが取り計らうといい、賄賂を渡してそれを黙認させようとする。

憤慨する為時だったが、官吏たちによる嫌がらせや、慣れない土地での心労がたたり体調を崩してしまう。そこへ医師として現れたのは、松原客館で出会った周明だった。思わぬ再会に驚くまひろだったが、周明は宋の鍼治療で為時を治療する。

一方で内裏では、左大臣である道長(柄本佑)が定子(高畑充希)が一条天皇(塩野瑛久)の子を懐妊していると知り驚愕する。定子からお腹の子を守ってほしいと懇願された道長は、一条天皇に定子の懐妊を告げる。一条天皇はすぐに定子に会いに行こうとするが、制止する道長。そして、出家した定子のもとを訪れるのも、内裏に呼び戻すこともならないと告げるのだった。

そんな折、越前では通事の三国が何者かによって殺される。「三国を殺めたのは朱だ」と主張する国勝は、為時の言葉を聞き入れず、役人たちに命じて朱を捕らえて連れ去ってしまう。すると、医師の周明が見知らぬ人物を連れて為時の前に現れるのだった。

■ 第23回「雪の舞うころ」あらすじ

役人に取り押さえられながら為時のもとへ駆けこんできた周明は、日本語で「朱は三国を殺していない」と朱の冤罪を訴える。驚く為時とまひろに、周明は松原客館で働く下人を証人として連れてきたと続ける。その者いわく、三国が命を落とす場面を目撃したと光雅に報告したところ、朱が三国を殺したと証言するよう脅されたのだという。

ほどなくして解放された朱は、無実の罪から救ってくれた為時に越前に来た本当の理由を明かす。一方で周明も、なぜ日本語が話せるのかと尋ねるまひろに対して、自分の生い立ちや過去を語る。宋と朝廷の思惑が絡まり、そしてまひろと周明が交流を深めるなか、為時の友人である藤原宣孝(佐々木蔵之介)がまひろと為時に会いに越前にやってきて・・・。

作は、日本最古の女性文学『源氏物語』の作者である紫式部が、秘めた情熱と想像力、そして生涯心を寄せる相手となる藤原道長への想いを原動力に、変わりゆく世を懸命に生き抜いていく愛の物語。放送は、NHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。

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