『キャプテン翼 ジュニアユース編』第35話「なにィ」が7回も! ドイツ戦決着の神回

毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。5月27日から6月2日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

フランスのパリで開催されるオリンピックが7月末から始まります。筆者はスポーツを観るのも好きではあるのですが、深夜アニメの放送にどんな影響が出るのかヤキモキすることもあります。配信派の人は気にしないのかもしれませんが、録画派のみなさんは夏アニメを予約する際には十分に気を付けましょう、って気を付けてどうにかなるものでもないですが。

というわけで、今回はパリでの躍進を期待してしまうサッカーの神回を紹介していきます。

●ツッコむ隙もないほどの激しい攻防が展開

翼たち日本ジュニアユース代表が国際大会に挑む今シーズンの『キャプテン翼 シーズン2 ジュニアユース編』ですが、第35話「決着!」ではいよいよ決勝のドイツ戦が決着! 原作ファンからするとおなじみの名シーンなのかもしれませんが、未読の人間としてはとにかく燃える終盤の攻防でした。

2-2で迎えた後半の終盤。敵将シュナイダーのシュートを得意の顔面ブロックして無念の交代となったDF石崎くんが医務室からすぐに戻ってきて応援したり、シュナイダーのファイヤーショットをGK若林がゴールポスト→ゴールバーと2回の三角跳びで防いだり、FW日向が渾身のスルーからタイトル回収したり……と幾度も『キャプ翼』おなじみの「なにィ」と共にスーパープレイが飛び交ったすえに、ついに翼がドイツのゴールにシュートを突き刺す、どころかネットをぶち抜いて大空に飛び立たせた瞬間はさすがにガッツポーズが出ました。ツッコミとか挟む暇もない。

正直、本作はバリバリアニメーションするような作品ではないですが、さまざまな手法で止め絵を迫力あるものとして見せており、そこに声優の熱演が乗って、誰が観ても手に汗握る仕上がりでしょう。気になるのは大会決勝が6月早々に終わり残り数週間何をするかですが、はたして……?

●決着!? 『最強王図鑑』第22話

子供に超人気(らしい)の『異種最強王図鑑』を原作に、動物や恐竜が1vs1でバトルする最強王図鑑 ~The Ultimate Battles~』。相原コージ先生のマンガ『真・異種格闘大戦』といい、いつの時代も男の子はこういうの好きだよね、というのはさておき、今回は“高速の空中機動兵器”オオスズメバチと“堅牢たる城塞”キリンが荒野を舞台にタイマン勝負を繰り広げました。

しかし試合が始まって早々にオオスズメバチの必殺の毒針がキリンの首振りでへし折られると、その後はお互いに決め手を欠いて長期戦に。そして勝負が夜に差し掛かろうとしたところで、スタミナが尽きたキリンが倒れてオオスズメバチが勝利!……なんだそりゃ。

『キャプ翼』とは逆に残尿感のある決着でしたが、ここまで観てきた人には「とてもレアなものが観れたな~」というありがたみがあったはず。そもそも「最強王」を決めるトーナメントへの出場を賭けた戦いという触れ込みながら、本作で特にトーナメント表などがないモヤモヤ感に比べたら、こんな仰天の決着も特に気にすることはないのかもしれません。

●いろんなアニメの口パクをこれでやってほしい『ぴーち鬼ぱーち鬼』「おはぎ」

最後はやや反則気味ですが、ショートアニメ『ぴーち鬼ぱーち鬼』です。ほとんどのアニメにおいてキャラクターは“口パク”していますが、この作品以上にリアリティのある口パクはないでしょう。何せキャラクターの口の部分だけ、喋っている声優の口を取り込んでいるので(というか声優の演技に、アニメを組み合わせているそう)。2分弱と短いので、そのインパクトをぜひ上の動画で確認ください。

この業界初挑戦(?)の画期的な試みを行っている『ぴーち鬼ぱーち鬼』は2023年7月からYouTubeにアップされていまして、メインとなるぴーちきとぱーちきの声優はお笑いコンビのチョコレートプラネットのふたり。それがなぜか2024年5月中旬から地上波CMが流れ、さらに5月下旬から突如動画配信サイトで配信が始まって注目を集め始めたタイミングで、この「口パクのすごさがわかりやすい初回」をX(旧Twitter)上で再掲したのは、素晴らしい判断だなあと感心させられた次第です。もっと流行れ。

(文=はるのおと)

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