井上尚弥 グッドマンの〝対戦回避〟に現役世界ランカーが異論「断る選択肢はない」

井上尚弥

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)の次戦を巡り、現役プロ選手の間でも議論が起きている。

井上は当初、次戦9月の対戦相手としてIBF&WBO同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)に照準を定めていた。しかし、グッドマン側が7月にノンタイトル戦を行うことを発表したことで〝白紙〟となり、代役としてWBO同級2位TJ・ドヘニー(アイルランド)が有力視されている。

そうした中、元日本フェザー級王者でIBF世界同級7位の阿部麗也(KG大和)はユーチューブチャンネル「ボクサートリオch」で、井上戦を〝回避〟したグッドマンについて言及。「自分は世界戦の話が来たら、断る選択肢はない。4団体王者で強い、勝てる可能性が低いと言われても、自分はギャンブラーなんで。この間(ルイス・ネリ戦で)ダウンしているのを見ている。当たれば倒れるわけだから」と断言した。

さらに、井上がフェザー級に転向した場合の〝空位王座狙い〟についても、その考え方をきっぱりと否定。「世界戦の話が正式にオファーとして来たのであれば、自分はやる。相手が強いか弱いか、次が空くまで待つとか…。まず世界戦をやらないと世界チャンピオンになれないんだから。その次がどうこうと先を見るより、目の前に来たチャンスが一番ですね」と言い切った。

ただ、今回のグッドマンの選択については「周りでは、ああだこうだ言われるのを承知の上で、そっちの選択肢を取ってるわけだから。そういう意味では目先の損得というか、大金とかにとらわれず、自分がまず世界チャンピオンになるために一番可能性が高いところを選んでいる。ダメなことをしているわけではない」「できれば強い相手を避けて世界のトップに行きたいというのは絶対、誰もが思うこと」と一定の理解を示す。

それでも「ただ、世界という舞台に行っちゃえば、強いやつと話が来れば、もうやるだけだなと思うんで。(井上は4団体のベルトを)全部、持ってるんだから」と自身の考えを重ねて強調した。

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