F1角田裕毅の昇格が消滅、頼みの重鎮の“弱体化”を海外メディア指摘「リカルドの復帰も強く支持」

角田裕毅【写真:Getty Images】

混沌としてきた来季シートの行方

自動車レース・F1のレッドブルは4日(日本時間5日)、公式ホームページ上でセルジオ・ペレスとの契約を2026年まで延長したことを発表した。ペレスは今季で契約が切れるところだったが、2年間延長。これにより、来季もマックス・フェルスタッペンとの2人体制が事実上決定となり、角田裕毅(RB)の昇格の可能性は消滅した。米専門誌は角田が昇格できなかった理由を指摘。レッドブル内の勢力図が変わったことを指摘している。

また一つ、パズルのピースが埋まった。今季で契約が切れるペレスの去就はF1界の注目の的だったが、結局はレッドブルとの契約延長で決着。これにより、フェルスタッペンの電撃退団などがない限りは来季も今季同様のシート体制で進むこととなった。この影響を受けそうな角田について、オランダのF1専門メディア「GPブログ」は「ツノダがレッドブル・レーシングのシート獲得において重要視されていない理由」との見出しで記事を掲載した。

本文では、レッドブルのアドバイザーであり、ドライバーラインナップの決断に大きな発言権を持つとされてきたヘルムート・マルコ氏の現状をクローズアップ。「ヘルムート・マルコは確かにツノダのファンのようだ。彼は以前、角田は周囲が予想していたよりもうまくやっていると示唆していた。しかし、クリスチャン・ホーナーとの争いでマルコの影響力は弱まっている。タイ人オーナーの支援を受けたホーナーが現在は決定権を持ち、明らかにペレスに期待を寄せている」と権力の“弱体化”を指摘している。

今回のペレスの契約延長もホーナー氏の意向が強かったもよう。「ホーナーは公の場で十分にペレスを擁護してきた。ホーナーはペレスの加入を熱望していた人物でもあり、ダニエル・リカルドの復帰も強く支持している」と、将来的には角田よりも同僚のリカルドの復帰に期待しているようだ。

記事では「結局のところ、ツノダは多かれ少なかれ、ホンダによってレッドブル・レーシングという位置にいられるのだ。そのホンダはかつてエンジンプロジェクトから撤退したが、2026年からアストンマーチンと提携する」と角田を取り巻く環境に言及。今季好調とはいえ、角田としては改めて厳しい現実を突きつけられた形だ。

THE ANSWER編集部

© 株式会社Creative2