日本と平和条約交渉の条件整わず プーチン氏、北方領土訪問に含み

5日、ロシア・サンクトペテルブルクで各国通信社代表と会談するプーチン大統領(AP=共同)

 【サンクトペテルブルク共同】ロシアのプーチン大統領は5日、北西部サンクトペテルブルクで共同通信などと会見し、日本がウクライナ支援を続ける現状では、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を続けるための条件が整わないと述べた。

 今のところ北方領土を訪問する計画はないとする一方、4島は「ロシアが主権を持つ領土であり、訪問しない理由はない」と述べ、将来の訪問に含みを残した。

 ロシアはウクライナ侵攻後の2022年3月、対ロ制裁を科した日本の対応を非友好的として平和条約締結交渉の中断を表明した。日ロの政治対話は停滞している。

 プーチン氏は、交渉再開は拒否しないと述べたが、日本が「ロシアの戦略的敗北を狙う呼びかけに同調している」のは、平和条約を巡る対話にふさわしくないと指摘。ウクライナへの軍事支援を強化する欧米と歩調を合わせる日本を批判した。

 林芳正官房長官は6日の記者会見で、プーチン氏の発言に関し「日本側に責任を転嫁しようとする対応は極めて不当で、断じて受け入れられない」と述べた。

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