奈良県・唐招提寺で遺徳しのび「開山忌」 鑑真坐像を特別拝観

年に1度の特別拝観が始まった国宝の鑑真和上坐像=5日、奈良市五条町の唐招提寺

 奈良市五条町の唐招提寺で5日、同寺を創建した高僧、鑑真(688~763年)の遺徳をしのぶ「開山忌」が始まり、国宝「鑑真和上坐像」(奈良時代)の特別拝観が行われている。拝観は7日まで。

 鑑真は中国・唐時代の僧で、渡航失敗や失明を乗り越えて来日。仏教の戒律制度を整え、唐招提寺を開いた。

 御影堂(国重要文化財)で行われている特別拝観では、像が安置されている厨子の扉が特別に開かれ、参拝者が手を合わせた。

 日本画家、故東山魁夷さんが奉納したふすま絵も公開されており、さいたま市から友人2人と参拝した60代女性は「年に1度の機会に拝観できてありがたかった。ふすま絵も素晴らしく、その中にいらっしゃる像はお幸せだと思う」と話した。

 鑑真の命日に当たるきょう6日は午後1時から「舎利会」が営まれる。

 特別拝観は午前9時から午後4時まで(受け付けは同3時まで)。特別拝観料は大人・大学生千円、高校・中学生400円、小学生300円(別途入山料が必要)個人の拝観は予約不可で、1時間当たり150枚の整理券を当日配布する。

 問い合わせは、同寺、電話0742(33)7900。

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