中国EV産業は米国にとって脅威なのか学習対象なのか―米メディア

中国メディアの環球時報によると、米メディアのザ・ニューヨーカーは3日、中国の電気自動車(EV)産業は米国にとって脅威なのか学習対象なのかとする記事を掲載した。

中国メディアの環球時報によると、米メディアのザ・ニューヨーカーは3日、中国の電気自動車(EV)産業は米国にとって脅威なのか学習対象なのかとする記事を掲載した。

記事は「米連邦議会内の一部の保護主義者が中国製EVの全面禁止を求め、ドナルド・トランプがジョー・バイデンよりもさらに重い中国製品への関税を課すと誓っていることを考えると、米国人がすぐに安価な中国製EVを購入できるようになる可能性は極めて低く、その結果としてEV生産の国内移行がさらに進むことになると思われる。EV産業をほぼゼロから築き上げた中国から何かを学べるかどうか調べる価値はありそうだ」とした。

記事によると、中国EVメーカーの成功の要因の一部は、労働基準や環境基準の緩さに加え、賃金の低さにある。しかし、人件費が自動車生産費全体に占める割合は比較的小さく、多くの場合20%未満だ。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)で中国の産業政策を専門とするイラリア・マッツォッコ氏は「中国の自動車メーカーの多くは、実践を通じて学ぶことで大きな成功を収めてきた。生産技術を革新することでコストを削減し、研究開発に資本を再投資することが可能になった」と語る。米プリンストン大学の研究者、カイル・チャン氏は、中国EVメーカーが目覚ましい進歩を遂げた三つの分野として、リチウムイオン電池の開発、アルミ鋳造の車体フレーム、設計プロセスにおけるコンピューターシミュレーションの活用を挙げた。

記事は「中国の取り組みの他の三つの側面も綿密に調査する必要がある」と指摘。第一に「粘り強さ」を挙げ、「米国では、新たな政権が発足するたび、あるいは産業政策の受益者が財政難に陥るたび、政策が変更される傾向があるが、中国ではこのようなことは起こらない」とした。

記事によると、中国の政策のもう一つの注目すべき特徴は、「既存企業を優遇するのではなく、新規参入と激しい競争を奨励してきたこと」で、「中国には数多くのEVメーカーが存在する。このように競争が激しい市場では、企業はコストと価格の削減を余儀なくされ、それが消費者に利益をもたらし、売り上げを押し上げている」とし、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学の経済学者、スーザン・ヘルパー氏によると、中国のアプローチは「純粋な中央計画」ではなく、最終的には市場テストが行われ、種をまいて育てた多くの企業の中で生き残るのはほんの一握りで、「計画と競争を組み合わせるという原則は、私たちが学ぶべきものだ」という。

米国が注目すべき中国の政策立案の三つ目の側面は「柔軟性」で、中国は長年にわたり、国内企業に外国企業との提携を奨励するなど、あらゆることを試してきた。「米国もこのやり方に倣い、米自動車メーカーが業界をリードする技術を持つ中国企業と提携することを認めるべきだ」とある専門家は指摘する。米自動車メーカーのフォードとテスラは中国企業と提携する計画を発表しているが、政治的な反対に直面している。(翻訳・編集/柳川)

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