「愛犬を病院で診察したほうがいいか」を電話で聞いた時「心配なら連れてきてください」と言われる理由とは?

動物病院が愛犬の不調で訪ねたときに「心配なら連れてきてください」と言う理由

飼い主側としては「心配だから電話してるに決まっているし、連れて行くレベルなのか知りたいから来ているのに」となってしまいますよね。

確かにその気持は間違いではありませんし、むしろ放っておきたいのであればそもそも問い合わせをするということもしないと思います。

しかし、動物病院に電話で問い合わせをすると「心配でしたら連れてきてください」ということを言われてしまうのはなぜなのでしょう?

それは責任があるからこそ無責任なことを言えないためです。

愛犬の様子がなんだかおかしい気がする…というのはいつも一緒にいる飼い主さんだからこそ気づくことですし、多くの場合その感覚は間違いではありません。

ですが、動物病院で実際に診察をする獣医師はその実際の様子を目にしているわけではありませんし、診察とはただ『見る』のではなく『診る』ことで多くの情報を得ます。

その情報をもとにして異常が出ているのか?その異常は様子を見ても良いのか?何か処置をしたほうがいいのか?といったことを判断していくため、実際に診察をしていない状態で「大丈夫」という言葉は言えないのです。

飼い主として愛犬の様子が違うと感じたときは迷わず診察へ

なかには電話の内容だけでも「様子見でもいいかもしれないかな?」といったケースもありますし、その場合は様態が今よりも悪化するようであればすぐに連れてくるようセットで伝えます。

しかし、それができるのはかかりつけとして普段の様子を把握している子に限定していることも多く、普段の様子を知っているからこそ言えることだったりもします。

ですがその場合であっても、実際に診察をしてみないとわからないという事実は変わりませんので、飼い主として本当に安心したいという気持ちと必要な処置があればすぐにしてあげたいという気持ちでしたら、迷わずに動物病院に診察へ連れて行ってあげてください。

もしも動物病院で「これくらいで」と言われたら?

しかしなかには「様子がおかしい気がすると思って連れて行ったらこれくらいで連れてこなくてもいいと言われた、笑われた」という声も耳にします。

そして事実としてそうした獣医師も存在しますし、獣医師としては心配しなくても大丈夫ですよという意味で言っている可能性もありますが、心配で連れてきた飼い主さんはそれにショックを受けているということも聞きます。

私が受診する側なら「これくらいなら大丈夫なんだ、よかった」と安心するかもしれませんし、「心配でたまらなくて連れてきたのにバカにされた…」とショックを受けるかもしれませんが、どうせなら不安にさせるリスクの回避と早期受診を促すためにも飼い主さんに伝えるときに「これくらい」なんてことは言いません。

「これくらいで」と言われたときに「それでも自分は愛犬の異常を感じたらすぐにでも連れて行って安心を買うぞ!」ということができるのであれば、そのまま今の動物病院にお世話になるのもいいと思います。

しかし、そうした言葉の真意は置いておいてもそうした言葉で傷つくことが多かったり、診察をためらってしまうといったマイナスな状態が起こっているようであれば、それは飼い主さんの精神的にもよくありませんし、結果として愛犬のためにもなりませんので動物病院を変えてみるのも手です。

一口に動物病院や獣医師とはいっても対人間同士のコミュニケーションですから、そこで行き違いや不安などがあるとよくありませんので、愛犬のためにも飼い主さん自身が「ここなら安心できて頼れる」と思える場所を探すことはわがままではなく大切な役目だと考えます。

まとめ

愛犬の異常やトラブルを見つけたときに動物病院に電話をすると、診察をしてみないと詳しいことがわからないため「心配ならつれてきてください」と言われてしまいますが、飼い主さんとしてはその心配のレベルと判断が知りたいというすれ違いが起こってしまいます。

しかし、それで「大丈夫です」と言われれば安心できるかもしれませんが、同時にその言葉には責任が存在しません。

大切な命だからこそ無責任に大丈夫という言葉をかけることができませんし、実際に診察してみないと大丈夫なのかどうかがそもそもわからないため、飼い主さんは少しでもおかしいと思ったら迷わず動物病院へ診察に行きましょう。

本当になんともないレベルだったとしても、その後の経過でどうなったら改めてすぐに受診したほうがいいか?どんな様子だったら様子見しててもいいか?など合わせてアドバイスももらえます。

愛犬のためにも飼い主さん自身が「これくらい」と思う必要はありませんので、ぜひ動物病院を頼ってくださいね。

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