ボーイングの有人宇宙船「スターライナー」打ち上げ成功–イーロン・マスク氏も祝福

米航空宇宙局(NASA)、ボーイングULAは現地時間6月5日、米ボーイングの有人宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)の打ち上げに成功した。

StarlinerはULAの「Atlas V」(アトラスV)ロケットで打ち上げられた。NASAに所属する宇宙飛行士のSuni Williams氏とButch Wilmoreが搭乗した。両名は日本時間6月7日未明にISSに到着し、8日間にわたってISSに滞在し、その後地球に帰還する。

Starlinerの有人打ち上げまでには紆余曲折があった。ボーイングは2014年に同宇宙船の開発を受注したが、その間にイーロン・マスク氏のSpace Exploration Technologies(SpaceX)がFalcon 9ロケットとCrew Dragon宇宙船で着実なISSへの有人輸送機会を実現した。また、コスト面でもSpaceXが圧倒的に優位となってしまった。

さらに、2019年12月に実施したStarlinerの最初の飛行試験では、予定の軌道に到達できず、ISSにドッキングできなかった。また、今回の有人飛行試験に至るまでも数々の不具合に見舞われ、度々延期となっていた。それでもStarlinerを打ち上げる理由について、NASAのビル・ネルソン長官は「宇宙船の選択肢を増やすことは重要」と述べている。

今回の打ち上げ成功について、イーロン・マスク氏は「打ち上げ成功おめでとう」とX(旧Twitter)に投稿した。なお、Starlinerの打ち上げ翌日となる日本時間6月6日夜9時には「Starship」の4回目の軌道打ち上げ試験が控えている。

プレスリリース

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