遠藤航、クロップ・リバプールで何を得た?「着実にいい経験」 新監督立ち上げも…パリ五輪OAに意欲「行く確率は上がる」【現地発】

リバプールでの1年目を終えた遠藤航【写真:Getty Images】

日本代表は6日にミャンマー戦に臨む

森保一監督率いる日本代表は6月5日、敵地となるミャンマー・ヤンゴンで北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選・同国代表戦(6日)に向けて公式会見と公式練習に臨んだ。日本代表の主将MF遠藤航(リバプール)が取材に応じ、初挑戦のプレミアリーグでアンカーを務めたシーズンを振り返った。

主将の表情は清々しかった。ユルゲン・クロップ監督のラストシーズンとなった今季、遠藤は中盤の底でボールを回収する重大な役割を担った。リーグ戦29試合(1得点)、UEFAヨーロッパリーグ9試合(1得点)、カップ戦5試合出場の戦績を残した。

「個人的にはまずこの代表を節目というか、最後しっかり2試合戦って少しゆっくり休む時間があればいいと思っているし、1シーズン通して試合にも絡めたんでそこは、ポジティブに考えているし、また監督が変わるというところで、自分にとってもそうだけどやっぱリバプールにとっても節目のというか、大きな1年になっていくっていう新たなチャレンジな1年になっていくと思うので、みんなで、いい準備していければいいかなと思います」

サプライズのビッグ移籍を果たし、リバプール入りした昨夏。加入当時30歳という年齢や、プレミアではほとんど無名だったこともあって周囲からの声は決してやさしいものだけではなかった。だが、初めてのプレミアにも徐々に適応していき仲間からの信頼も得て出番を自らの力で掴み取った。そんな遠藤はリバプールで試合に出続けたことで何を得たのか。

「1つはもちろんプレミアでの高いレベルでの経験。それはすごく個人的には良かったと思うし、W杯終わって、ほかの国の上に行くような選手たちというのは普段からやっぱりタフな日程の中で、チャンピオンズリーグやったり、リーグ戦も高いレベル中でやっているというところで、今はそこでの環境に自分は身を置いているというところが一番のメリット。選手してのやりがいみたいなところだと思う」

世界トップクラスのクラブで、世界トップクラスの仲間たちと、世界トップクラスの名将クロップ監督のもとで毎日を過ごす。その環境こそが遠藤の、日本代表の発展につながる。

「あとはもうこのレベルでやっぱり試合に出続けるということが大事だと思うし、個人としては、別に何が何か大きく伸びたかみたいなことを言うのは難しいですけど、やっぱり練習してのその成長という意味では、また少しいい経験ができた分、選手としては着実にいい経験をしているんじゃないかなと思います」

来季は遠藤自身が「ラージグループに入っているということは認知している」と言及した今夏のパリ五輪代表における24歳以上のオーバーエイジ(OA)候補の行方によってアルネ・スロット監督のもとでの新シーズンスタートが変わってくる。

来月下旬に開幕するパリ五輪期間は新監督のもとでの貴重なプレシーズン中。そのなかで遠藤は「スタンスとしてはやっぱり選ばれたら代表に貢献したいという思いでいるし、そこは僕が最終的に決めることではない。でも、そのスタンスだけは伝えている」とU-23日本代表の大岩剛監督や日本サッカー協会にも意思表示している。「あとは(大岩)監督と、もちろんリバプールの新しい監督も何て言うかというところはあると思いますけど、そこはクラブと協会が話していく中で最終的に決定するんじゃないかなと思う。(スロット監督が)行ってもいいというスタンスプラス、大岩監督が僕のことを必要となれば行く確率が上がるかな」と、OAへの意欲を明かした。

遠藤のサッカーキャリアも一度きり。どんな道に進むことになっても、周囲の声に惑わされず、頼れる日本代表の主将はただただ突き進んでいくだろう。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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