県高校総体 バスケットボール男子 守備からリズムをつくった柳ケ浦が優勝 【大分県】

大分県高校総体バスケットボール競技

6月3日 ダイハツ九州アリーナ

男子 決勝リーグ最終戦

柳ケ浦81-69別府溝部学園

決勝リーグを互いに2勝で迎えた柳ケ浦と別府溝部学園の最終戦。終了間際に逆転負けした昨年の雪辱を果たした柳ケ浦が2年ぶりに全国高校総体(インターハイ)の切符をつかんだ。

試合終了後、全力で戦い抜いた選手たちが笑顔や涙を見せたことからも分かるように、決して楽な戦いではなかった。新チーム始動から県内負けなしの柳ケ浦。昨年果たせなかった優勝、そして全国高校総体出場は「先輩たちの分まで」という強い思いを持つ選手たちの中で、いつも以上に大きな意味を持つ。

試合はスタートから強さを増した守備力を発揮。特にボール保持者へのダブルチーム(2人で守る戦術)がうまく機能し、前半は別府溝部学園の得点を24点でおさえた。全員の守備意識が高く、「守備で流れをつくって攻撃へ」という柳ケ浦らしい得意の形で得点を重ねた。大事な場面で山下凛生(3年)が3点シュートを決めるなど、ベンチや会場の応援を巻き込みながら流れを渡さなかった。

要所で得点を重ねた山根遼太郎

高さとリバウンド力でチームをけん引するボディアン・ブーバカー・ベイノット(3年)の活躍に加え、1年生のファデラ・ママドゥの成長も見られ、留学生2人が高さで相手を上回った。ベイノットは「(控えの選手がいるので)交代しても大丈夫という心強さがあったから思い切ったプレーができた」と、チームメートの存在によって最大限に実力を発揮できた。攻守ともに黒子的な役割を果たし、要所では自ら切り込んで得点を重ねた山根遼太郎(3年)の活躍など、チーム全員で戦い抜いた。「交代しても精度が下がらない選手層の厚さが今年の強み」と山根。全員がこれまで試合を意識して練習に励み、コートで役割を果たした結果が表れた一戦だった。

「つかみかけた優勝を逃した(昨年の)経験があったので、ぐっとくるものがあった」と、昨年の悔しさを思い出しながら笑顔を見せた中村誠監督。これまでの全国での最高成績はベスト16。「ディフェンスから流れをつくる柳ケ浦らしいバスケの精度を上げて、過去最高成績を目指したい」(中村監督)と、勢いそのままに全国に挑む。

2年ぶりの優勝を決めた柳ケ浦

(黒木ゆか)

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