「最近の大会は匂いがきつい」カードゲームショップが異例の声明でSNS反響 オタクのスメハラ問題を考える

■カードゲーム大会はスメハラの温床?

池袋にあるカードゲームショップ「カードパラダイス池袋本店」のポストが、X上で大きな反響を集めている。同ショップは「とても残念のお知らせとお願い」と題し、コメントを掲載。「暑くなってきたこともあり、生乾き、体臭など不衛生な状態の方がいらっしゃいます。特に最近の大会には一部参加者の方、匂いがきついです」とポストした。

池袋に限らず、秋葉原などのカードショップやアニメショップでは、たびたび客の異臭が問題になってきた。実は今回のショップのような騒動は過去に何度も起こっており、店側がXで注意喚起するのは一度や二度ではない例がみられた。こうした店は雑居ビルに入店していることが多く、通路が狭い。そのため、風呂に入っていない客とすれ違うだけで、猛烈な異臭を嗅ぐ羽目になったりするのである。

特に問題になるのが、真夏である。夏の同人誌即売会やライブなどのイベント帰りに、池袋や秋葉原のアニメショップを訪れる客は、汗だくだったり、見るからに衛生状態が芳しくない身なりだったりすることがたびたびある。流れ落ちる汗が本を濡らす現場を筆者も目撃したことがある。

他にも、声優やアイドルのライブでも「隣の客が臭くて集中できなかった」などの異臭問題が取り上げられることがあり、「ライブに行く前に風呂に入れ」と呼びかけるファンは多い。異臭がした客席の番号を晒す人もいて、さすがにそれはやり過ぎではないかと思うが、ストレスを感じている事例は少なくないのだろう。

体臭はどうしても個人差があり、デリケートなことである。そのため、なかなか大きな声では注意喚起がしにくい。現場で声をかけるのも憚られるため、悩ましい問題だ。したがって、個人個人が店側の呼びかけに耳を傾け、対策をするしかないだろう。

最近は少なくなったと言われるが、ひと昔前はイベント会場で徹夜を行い、何日も風呂に入らずに行動する人も多かった。コミックマーケットでもっとも問題視された徹夜組は風呂に入らないため、会場内で異臭を放っていると苦情を訴える人もいた。転売目的で列に並ぶ人にも、そういった不衛生な人が少なくないという意見がある。

6月に突入し、本格的な梅雨のシーズンがやってくる。そして7月になれば、30度超えの夏日も増えることだろう。そうなれば一層、異臭が問題になる。店の中もあくまでも公共空間の延長線と考え、来店の際には周りに十分配慮するように努めたいものだ。

(文=山内貴範)

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