古くからあがめられた神木 満開の白い花、甘い香り運ぶ 散った後はピンポン球のような実がたわわに 沖縄・石垣島

 「ヤラボ」の名前で親しまれているテリハボク(照葉木)の白い花が沖縄県石垣市内の各地で満開している。

 風が運んでくる甘い香りは八重山地域の初夏の風物詩だ。市街地から新石垣空港へ向かう国道390号沿いでは、ヤラボ並木の花が咲き乱れ、行き交うドライバーの目を楽しませている。

 花期は5~7月。直径2.5~3センチの花を枝先に無数に付ける。フクギと同じオトギリソウ科の常緑高木。高さは7~10メートルになる。葉は光沢があり、長さが20センチとフクギより大きいのが特徴だ。

 花が終わると、径3センチのピンポン球のような実が枝もたわわに実る。海岸近くによく見られ、防潮林に適している。

 八重山地域では古くから神木としてあがめられ、御嶽の境内には巨木が立っている。木材はかつて家具や建築用材として利用された。

(南風原英和通信員)

八重山地域に初夏を告げるヤラボの白い花=5月17日、石垣市大浜の国道390号沿い

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