ロッテ・佐藤都志也「勝つことがチームにとってプラス」捕手として成長した姿を見せる

「毎年言っていることなんですけど、僕が出て優勝できるように。一番やらなきゃいけないなと思っているので、軸になってやっていきたいと思います」。

ロッテ・佐藤都志也は、春季キャンプの取材でこのように話していた中で、田村龍弘が故障により5月21日から6月4日まで一軍登録抹消されていたとはいえ、現在14試合連続でスタメンマスクを被り、15試合連続無敗中だった時も13試合でスタメン出場するなど、捕手として成長した姿を見せる。

「正捕手だったら143試合あっていっぱい被らないといけない。そういった意味ではいい経験じゃないですけど、僕もこんなに連続で出させてもらっているのが初めてなので、これが当たり前だと思ってやっていかないといけないかなと思います」。

これまでは併用での出場が多く、3連戦全てでスタメン捕手という経験があまりなかった。3連戦全て先発マスクをかぶることで、守備面でのメリットは何かあるのだろうかーー。

「前回の対戦とかも頭に入りますし、この間のホークス戦なんかは川村くんのところ、前はスライダーで三振だったところを真っ直ぐ、真っ直ぐで三振を取ったりした。そのあと1回話す機会があって、変化球を意識してた?と聞いたら、“変化球を意識していました”という話もあった。そういう駆け引きとかも自分が被っていたらしやすくなるんじゃないかなと。キャッチャーが変わって配球も変わると思うので、そこは3連戦被る上でのメリットかなと思いますね」。

守備面で成長を感じている部分は自身の中であるのだろうかーー。

「余裕がある。去年とかはピンチになるとどうしようと、思ったりしていたんですけど、逆にこれだけ被っていると、目先のアウトよりも試合の中でここ1点取られてもやむなしという余裕が序盤だと特にありますね。1点取られて同点になっても、あと6回あるから大丈夫だという気持ちになれるようになったのが良かったところかなと」。

「田村さんにも言われたことで、“序盤に先制されようが、同点に追いつかれようが、まだ6回くらいあるのに終盤みたいな配球してどうするんだ”と言われたりもしたので、言われている意味がなんとなくわかってきた気がします」。

チームは5月14日のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけて15試合連続で負けがなく、その間引き分けを挟んで11連勝した。チームを勝ちに導いていることは、捕手として自信になっているのだろうかーー。

「自信というか、野手の皆さんに助けられているなという感じはあります。取られちゃいけない場面で取られても、9回に追いついてもらって、追いついてもらった以上はこれ以上失点してはいけない。ピッチャーとコミュニケーションをとってやらなきゃいけないところもある。そこは助け合いが噛み合っている感じかなと思います」。

開幕から併用で出場してきた田村が6月5日に一軍復帰した。田村という心強い存在が戻ってきた中で、佐藤が捕手として継続してチームを勝利に導けるかどうか注目。「勝つことがチームにとってプラスのことなので、勝ち切れるように。1点差を守るところは守って、なんとかピッチャーを助けられるところは助けたいと思います」。

取材・文=岩下雄太

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