〈山添村〉初開催!古民家宿に奈良の“B面”が集う『B面めぐるフェス』に行ってきた。

人気宿泊施設「ume,yamazoe」で小さな体験型フェスを開催!

奈良県山添村の宿泊施設「ume,yamazoe」では6月2日、体験型イベント『B面めぐるフェス』が開催されました。

今回のイベントは「ume,yamazoe」(山添村)オーナーの梅守志歩さん、「HEP」(大和高田市)代表の川東宗時さん、「奥大和ビール」(宇陀市)の米田義則さんの3人が中心となって企画。

奈良県内でもまだ未開拓であったり、またメインエリアからちょっと外れた地域やジャンル、いわゆる“B面”で活躍する面々9組が会場に集結しました。

左から米田さん、梅守さん、川東さん

フェスゲートは「やぐゆぐ道具店」(奈良市別所町)の鈴木文貴さんによる制作。薪や竹の皮などを使った生き物のようなゲートで「マキゾー(薪造)」なる名前も付いています。

昼の部はマルシェが大盛況。「菩薩咖喱」(奈良市)や「doors yamazoe」(山添村)などの飲食に加え、「HEP」(大和高田市)や「jiwajiwa」(吉野町)など奈良の地場産品や地域素材を使ったアイテムの物販が行われました。

「維鶴木工」は吉野桧を使った小物や家具キットを販売するほか、薪や端材を使った彫刻ワークショップを開催。参加者は黙々と人形やスプーンなどを削っていました。

維鶴木工[東吉野村]
菩薩カリー[奈良市]
砂山利治シェフ[天川村]
天からジェラート[天川村]doors yamazoe[山添村]
HEP[大和高田市]
jiwajiwa[吉野町]
維鶴木工によるワークショップも

「ume」の人気コンテンツで、「サウナシュラン2020」に選ばれたフィンランド式アウトドアサウナも好評で、サウナ→水風呂→外気浴を何セットも繰り返す方も。各々のルーティンで整っておられる様子でした。

夜の部の始まりは鹿の解体ショーから。宇陀で捕獲された鹿のもも肉を砂山利治シェフ(天川村)が解説を交えながら素早く解体。解体されたお肉はローストとミンチカツになりました。

「火災報知器が鳴るかも…」と鹿のローストは急遽軒先での青空クッキングに。スコールのような豪雨に見舞われながらタープの中で黙々と焼くシェフの姿がとてもかっこよかったです。

できあがった鹿肉のローストはピンク色の鮮やかな断面が美しい…!同じもも肉でも部位ごとに食感が違っていて、中でも内ももと外ももの間の細長い部分は驚くほどの柔らかさ! 一般的にイメージされる独特な臭みもなくおいしくいただけました♪

これに加え、参加者がそれぞれに持ち寄った食材を使った即興料理も披露したシェフ。建物内を駆け回りながら次々に料理を出していくスピード感も見ごたえがありました。

ミシュランガイド北陸2021にて最年少、最速で二つ星、グリーンスターを獲得したというシェフの腕前に感動しつつ、即興ゆえの名もなき料理たちを堪能しました。

豆の「フリカッセ」という料理らしい…

また、昼の部・夜の部共に、大阪府交野市の音楽ユニット“しゃるここ”こと「Charmant coco」によるフリーライブも開催。参加者とのミニセッションもあり、会場を盛り上げました。

Charmant coco[大阪府交野市]

初開催ながら各部合わせて50名以上が来場し、大盛況の一日となった今回。サウナーをはじめ、出店者それぞれのファンや会場のご近所さんまで様々な人が集ったそう。良い意味で“個性の大渋滞”ですね(笑)

音楽において“B面にこそ名曲がある”とも言われるように、奈良県でも鹿や大仏、法隆寺や吉野山といった誰もが知るA面はもちろん魅力的ですが、その外側(B面)にいる人やモノに奈良県の本質的な魅力が詰まっているのではなかろうか。と感じた一日でした。

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