【桑名】8、9日に三重県伊勢市で開かれる「第35回日本パラ陸上競技選手権大会」に出場する、パラ陸上男子200メートル(義足・機能障害T64)アジア記録保持者の井谷俊介選手(29)=愛知県春日井市、SMBC日興証券=が大会を目前にした4日、母校である桑名市の津田学園高校を訪れた。高校時代は野球部で活躍した井谷選手。学園内の野球場にも立ち寄り、部の後輩たちに「お互い頑張ろう」とエールを送った。
部員らを前に井谷選手は「高校時代はみんなと同じで、野球のことばかり考えていた」と当時を振り返り、「そのときの経験が自分を強くしてくれた。今この瞬間が、将来大人になったときに大きな財産になる。甲子園を目指して頑張ってください」と呼びかけた。
部員から「大きな大会に出るときに心がけていることは」と尋ねられると、「自然体でいること。練習どおりにやるだけ。普段の練習をいかに試合に近づけられるかが重要」と答えた。
大紀町出身で、小学4年から高校までは野球に打ち込んだ。大学在学中に交通事故で、右の膝から下を切断した。今夏のパリ・パラリンピック出場を目指している。パラリンピックの日本代表は、7月上旬に発表される予定という。
同校卒業生で、同じく日本パラ陸上競技選手権に出場する赤坂直哉選手(40)=桑名市松ノ木、四日市TFC=も、井谷選手とともに来校した。