米大学生ら鈴鹿で伝統工芸学ぶ 伊勢型紙の実演見学や制作体験 三重

【伝統工芸士の実演を見る学生ら=鈴鹿市白子本町の伊勢型紙資料館で】

 【鈴鹿】米国オハイオ州のボーリンググリーン州立大学で日本語を専攻している学生ら13人が5日、三重県鈴鹿市を訪れた。伊勢型紙資料館や鈴鹿市伝統産業会館で館内を見学し、伝統工芸士による実演の見学と、伊勢型紙制作体験などをした。

 日本の文化、習慣を学び、生活体験をする目的で5月14日に来日し、今月13日に帰国する。同大は、名古屋市の名古屋学院大学と平成14年に交換留学提携を結んでおり、学生らは名古屋学院大を拠点に、これまで京都・奈良・大阪・神戸・姫路・広島などを訪問した。

 学生らを三重県に招致したのは、鈴鹿市一ノ宮町の自動車試作品メーカーの株式会社「トピア」(佐々木英樹社長)で、今回が3回目となる。ボーリンググリーン大学近くに同社のアメリカ工場があることから、同社の高度なものづくりに共通する鈴鹿の伝統工芸の技を知ってもらいたいと企画した。

 鈴鹿市白子本町の「伊勢型紙資料館」では、伝統工芸士の今坂千秋さん(67)が、錐彫、突彫など4種の技法や型紙の制作工程を解説しながら実演した。学生らは、同市寺家の「鈴鹿市伝統産業会館」で、伊勢型紙ワークショップに参加し、実際に体験していた。

 同大2年のダミアン・ギルバートさん(19)は「400年も変わらずに受け継がれてきた伊勢型紙の技術は素晴らしい」と話していた。この後、一行は宇治山田商高とセントヨゼフ女子学園の生徒らの案内で伊勢神宮を見学するため、伊勢市に向かった。

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