大豆イソフラボンが糖尿病予防になる?

高血糖対策に豆乳?!

5月は新年度の目まぐるしさが一段落し、各企業で健康診断が行われる時期ですね。健康診断で、血糖値の高さを指摘されてしまったみなさま、豆乳に含まれる大豆イソフラボンが血糖値の上昇を抑えるのに役立つかもしれません。

血糖値という単語は日常生活で比較的よく見聞きしますが、具体的にどのようなものなのか、高血糖にはどのようなリスクがあるのか、ご存じでしょうか?

血糖値とは血中のブドウ糖(グルコース)濃度のことで、高血糖の状態が続くと健康にさまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。

具体的に、身体にどのような影響があるのかを見ていきましょう。ごはんやパンなど、食事中に摂った糖質は、体内で消化・吸収されてブドウ糖に分解され、血液に入ります。血糖値が上昇すると、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きにより、ブドウ糖が細胞に取り込まれ、身体を動かすエネルギー源として利用されます。血糖値は健康な人でも食事の前後で変動します。食事によって上昇した血糖値はインスリンの働きにより食事から数時間後には食前の血糖値に近い値まで低下します。しかし、インスリンのはたらきが悪い人はなかなか血糖値が下がらず、血糖値が高い状態が続きます。このように血糖値が高いまま下がらない状態が続くことを、「高血糖」と呼んでいます。

慢性的に高血糖が続いてしまうと、血管が傷つくことによって動脈硬化を引き起こしたり、糖尿病になったりするなど、さまざまな生活習慣病を発症する恐れがあります。そのため、高血糖と言われてしまった場合には、早急に生活習慣を見直し、血糖値を正常な範囲に保つことが重要です。

大豆イソフラボンが糖尿病に効果を発揮

米国のマサチューセッツ大学の研究(注1)で、イソフラボンを豊富に含む大豆製品を摂取すると、糖尿病と心臓病のリスクが減少することが明らかになっています。同研究では、大豆製品を摂取することで、コレステロールや血糖値が下がり、糖尿病の人では耐糖能異常(インスリンの分泌不足や作用不良などによって生じる血糖値の正常化機構が不良になった状態)の改善を期待できるとされています。これは、大豆イソフラボンがグルコースの取り込みを改善するプロセスに役立つと考えられているためです。国立国際医療研究センターなどによる大規模研究「JPHC研究」でも、日本人6万人を対象に5年間追跡した調査で、大豆イソフラボンを摂取することで、肥満の人や閉経後女性の2型糖尿病のリスクが低下することが示されています。

つまり、食事から糖質を摂ることで血糖値は急上昇しますが、同時に大豆製品を摂取することによって、体内でインスリンが円滑に作用してくれるのです。このように、食事で積極的に大豆製品からイソフラボンを摂取すると、血糖値を正常に近づけることが期待できます。

オススメの大豆製品の取り入れ方

具体的に大豆製品を日々の食事に取り入れる方法をご紹介します。料理に大豆を使うのはなかなか難しいと感じる方は、飲み物として豆乳を取り入れることがおススメです。豆乳を取り入れるタイミングは食事の30分くらい前がよいでしょう。食事の前に飲むと、豆乳により空腹が落ち着いた状態で食事を摂ることができるので、食べすぎ予防にもつながります。コーヒーや紅茶に牛乳を加えて飲む機会が多い人は、牛乳を豆乳に変えるだけで、無理のない範囲で少しずつ始められます。

豆乳は、温めて飲むのがオススメです。冷たい飲み物を飲むと、内臓が冷えて免疫力や代謝が低下するなど、体にさまざまな不調をきたすことがあります。豆乳は、温めても栄養素が熱を加える前とほとんど変わらないどころか、温めたほうが栄養素を体内により吸収されやすくなるとも言われています。温める場合は、レンジで1分程度にしましょう。

まとめ

糖尿病の予防には、高血糖の状態にならないように日々の生活習慣を見直すことが重要です。豆乳なら毎日の食事に手軽にプラスできます。ぜひ糖尿病の予防に役立ててみてください。

*注1 Nutrition researchers track down how soy reduces diabetes risk(マサチューセッツ大学 2009年10月1日)

(豆乳あるあるマップ 2024年5月30日掲載記事より)

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