地域唯一の老舗銭湯、ファン待望の再開 耐える燃料費高騰、脱衣場ライブで4カ月ぶり復活祝う 相生

営業が再開し活気が戻った都湯。番台に座らせてもらい喜ぶ子どもの姿も=相生市相生3

 西播地域唯一の銭湯で、燃料高騰を理由に休業していた「都湯」(兵庫県相生市相生3)が今月、4カ月ぶりに営業を再開した。8、9日にしょうぶ湯を提供するほか、8日午後1時半からは、同県赤穂市を中心に演奏活動を続ける3人組のアマチュアバンド「ボンボ・ヤーヤ」が脱衣場でコンサートを開き、復活を祝う。

 都湯は1918(大正7)年に創業。5代目店主の宮崎一一(かずいち)さん(76)が2014年から経営を引き継ぎ、銭湯文化と地域の憩いの場を守ろうと営業を続けてきた。だが人口減と少子高齢化で近年は1日の利用客が10人前後に減少。燃料費の高騰が追い打ちとなり、2月から休業していた。

 休業中、多くの銭湯ファンから再開を待ち望む声が寄せられたという。今月1日、銭湯に再び明かりがともると、市内だけでなく、赤穂や同県たつの市などから計約20人が訪れ、レトロな洗い場で入浴を楽しんだ。施設内に置かれたノートには「祝再開!! 身体も心も軽くなりました。これからも応援しています」などとつづられていた。

 宮崎さんは「燃料費は依然として下がらず経営は苦しいが、多くのお客さんの声に支えられ頑張れる」と笑顔で番台に座る。

 8日のボンボ・ヤーヤのコンサートでは、銭湯独特の反響を生かし、映画音楽や昭和歌謡、ポップスなどの演奏が披露される。

 入場料490円(入浴料含む)。都湯TEL0791.22.6108 (豊田 修)

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