『Believe』崩落事故は氷山の一角だった…狩山・木村拓哉が暴く欲にまみれた“黒幕”

5月30日、木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)の第6話が放送された。ドラマは折り返しを迎え、橋づくりのプロフェッショナル・狩山(木村拓哉)が巻き込まれた事故の裏にある陰謀の存在が明らかになってきた。

本作品は、東京都の一大プロジェクト・龍神大橋の工事中に起きた崩落事故の責任を取り、刑務所に収容された狩山の“決死の脱獄”を描いたヒューマンドラマである。放送開始当初は、崩落事故を設計担当者である狩山の全責任として決着させたい帝和建設と、崩落事故の原因である資材の不正情報を明るみに出したい狩山とのバトルが主題だった。しかし、脱獄した狩山を追う過程で、警察は秘密裏に狩山と接触しようと試みる帝和建設を疑い始め、狩山・帝和建設・警察による“三つ巴の戦い”に発展する。

第5話では、狩山の居場所をいち早く突きとめた刑事・黒木(竹内涼真)が潜伏先を捜索。万事休すの状況で狩山が選択したのは、自ら逃走劇に終止符を打つことだった。狩山はこのまま逮捕され、崩落事故の真相は闇に葬られてしまうのか、そして余命わずかな妻・玲子(天海祐希)との再会は果たせないのか……。

蛍光灯に照らされた居間で、ついに対面した狩山と黒木。狩山が驚くのも無理はない。龍神大橋の崩落事故により命を落とした若松(竹内・二役)と黒木は兄弟であり瓜二つなのだ。これまでの放送内容では、黒木は狩山への復讐心を原動力に捜査しているように見えた。しかし、黒木の目的が“事件”黒幕を突き止めることであり、真の正義感をもった人間であるということを“天性の人たらし”狩山は見抜いていたのだろう。狩山は黒木の「若松は“誰か”に頼まれて故意に事故を起こした」という仮説が腑に落ち、真相解明への執念をより一層強くし、黒きに“共闘”を提案。黒木がわざと狩山を逃がしたことで、再逮捕後の再逃走となり罪はさらに重くなるが、狩山にもう迷いはないように見えた。

さて、帝和建設は、証拠データを掴んでいる以上、狩山争奪戦に一歩リードしている格好だが、狩山がデータを奪い返し、事故発生から収容までの経緯を告発すれば、磯田社長(小日向文世)は社会的制裁を受けるだろう。次回第7話は、証拠獲得に奔走する狩山と、証拠や厄介者を残さず抹消しようとする磯田の動向がメインになりそうだ。

気になるのは、秋澤(斎藤工)が磯田の目の前で抹消した不正データの行方。果たして、データが入ったSSDをコーヒーに沈めた程度でデータが消えるとは思えない。おそらく水没後のSSDは秋澤が持っているに違いない。秋澤はいまだ謎が多い人物で、ストーリー序盤で弁護対象の狩山を見限り帝和建設サイドについた裏切り者である。ただ、帝和建設についたのも真の目的を果たすための隠れ蓑である可能性もある。データが無事であるとすれば、秋澤は崩落事故の黒幕である“誰か”に献上するのではないか。

龍神大橋の崩落事故を誘発した“誰か”は、おそらく東京都か帝和建設とライバル関係にあるゼネコンの関係人物だろう。龍神大橋は黒鉄島再開発プロジェクトの一環であることが判明。龍神大橋だけでも総工費120億円にものぼる大型プロジェクトだ。つまり、龍神大橋建設の裏ではさらに大きな金額が動いていることになる。第7話の予告動画では頭を下げて懇願する磯田を、東京都知事・榛名(賀来千香子)があしらうシーンがあった。崩落事故の真実が明るみになれば、東京都は帝和建設全体の責任として収束させるのだろう。磯田と榛名にはこれまでのところ因縁が見当たらず、既出情報は官僚時代の先輩・後輩ということのみ。榛名が当時の私怨で磯田をハメるにしては、あまりにも復讐の規模が大きすぎる。そのため、黒鉄島再開発プロジェクトにおける帝和建設の受注内容をごっそり奪い取りたいライバル企業の策略という線も十分に考えられる。

狩山は不正の証拠データを求めて、龍神大橋工事の下請け会社社長・坂東(北大路欣也)と会うようだ。そうそうたるキャスト陣のなかでも北大路欣也のランクは別格だ。狩山の逃走劇の成否を握るキーマンで間違いないだろう。東京都の一大プロジェクトに巣食う悪を、狩山と黒木、そして坂東でどうあぶり出すのか、次回放送を楽しみにしたい。

■番組情報
テレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』
テレビ朝日系毎週木曜21時~

出演:木村拓哉、天海祐希、竹内涼真、斎藤工、山本舞香、一ノ瀬颯、上川隆也、小日向文世、北大路欣也 ほか
主題歌:MAN WITH A MISSION『I’ll be there』(Sony Music Labels Inc.)
脚本:井上由美子
音楽:林ゆうき
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子
プロデューサー:都築歩、髙木萌実、松野千鶴子
監督:常廣丈太、樹下直美
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
公式サイト: https://www.tv-asahi.co.jp/believe/

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